桑田佳祐がハンドルを握る「スバル360」が可愛すぎてペットみたい! クルマなのに喜怒哀楽の表情が見えてくる?【MVの名車】
「炎の聖歌隊[Choir]」に登場するスバル「360」とは
そんな「炎の聖歌隊[Choir]」のMVは、桑田佳祐がルーフキャリアにギターを載せたスバル「360」に乗って、四季折々の日本を旅するストーリーだ。この楽曲は配信シングルにもなっているが、そのジャケットにもスバル360がイラストで描かれている。

●航空技術が応用された「360」
1958年3月にデビューしたスバル360は、中島飛行機からさまざまな変遷を経て1953年7月に設立された富士重工業が、初めて世に送り出した軽四輪乗用車だ。当時はまだクルマといえば商用車がほとんどで、乗用車は庶民にとって高嶺の花だった。そんな中で通商産業省(現・経済産業省)が国産乗用車の開発・普及を進めて日本の自動車産業を成長させていく方針を打ち出した。日本版の国民車構想だ。スバル360はそんな流れの中で誕生したモデルになる。
全長2990mm、全幅1300mm、全高1380mmという小さなクルマに大人4人が乗って楽に移動できるよう、リアエンジン・リアドライブ方式を採用。エンジンは356ccの空冷2気筒で、サスペンションは4輪独立懸架構造が採用された。ボディはモノコック構造で、ここには富士重工業の財産である航空技術が応用されている。
今でこそ、軽自動車に大人4人が乗車しても快適に移動できるのは当たり前だが、当時の技術でそれを実現するのは困難を極めたという。
“悪路を時速60km/hで飛ばせるクルマ”を目指した富士重工業の技術者たちが、群馬県にあった伊勢崎製作所から高崎までの未舗装路を1日16時間走り続け、急勾配の赤城山登坂路を全力走行する過酷なテストを繰り返したのは有名な話だ。
かくして1958年に人々の前に姿を見せたスバル360は“てんとう虫”の愛称で呼ばれて、多くの人々から愛されるようになり、1970年5月まで39万台が製造された。
見た目が愛らしいため意外に感じるかもしれないが、スバル360はスポーツ性能にも定評があり、1964年に開催された第2回日本グランプリレースのT-1クラスで1位と2位を獲得。1968年には36psを発生するスポーツグレードの「ヤングSS」が発売された。
そんなスバル360には現在でも多くのファンがいて、複数のオーナーズクラブが存在する。実は筆者の知人にもオーナーがいて、彼は「炎の聖歌隊[Choir]」のMVにスバル360が登場するのをとても喜んでいた。
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