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湾岸ミッドナイトのブラックバードのように進化し続けた「ルーフ」があった! オーナーが手放した泣ける理由とは

「ブラックバード」のように進化し続けたルーフ

 アメリカに在住のオーナーは、常にエクスクルーシブ・モーターカーズと密な関係を保ち続け、その中でRUFとともに、最初のBTR Iをいかにより魅力的なスポーツカーに進化させるのかを考えていた。そしてBTR Iは1993年まで一貫して、その改良が進められていったのだ。

3000万円近くチューニングに費やされたポルシェ「ルーフ BTR III」(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's
3000万円近くチューニングに費やされたポルシェ「ルーフ BTR III」(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's

●走り屋のオーナーがルーフを手放した訳とは

 始まりは1989年、サスペンションのジオメトリー調整やエンジンのベンチテスト、チューニング、リビルトなどが3万7000ドルの費用でおこなわれた。さらに翌年には、総額で9万3000ドルのアップグレードがオーナーから依頼され、ツインプラグ・イグニッションや専用のBTR IIIモトロニック、軽量ポリウレタン製CTRバンパー、17インチのスピードライン製バンパー、330mm径のCTRブレーキキット、6速トランスミッション等々の装着を受けている。ここまでがBTR IIが完成するまでの簡単なストーリーだ。

 そのわずか7か月後、オーナーはRUFがすでに完成させていたBTR IIIよりもさらに高性能なBTR IIIを望み、3.4リッターエンジンのシリンダーヘッドのカスタムやザイテック社のフォーミュラーワン・エンジンマネージメントソフトウエアを使用して、さらなるアップグレードをRUFに依頼。

 カムシャフトやインタークーラー、マフラー、改良型のギャレット製「T04S」型ターボチャージャーなどが装着された。この後も1994年にはCTR用のカムシャフトやソフトウエアのリマップなどに8000ドルを投じた前オーナーがルーフを探し求めていた友人に譲ったのは、自身の高齢化でそのパフォーマンスをフルに扱うことができなくなったことにあるようだ。

 30年以上に及ぶRUFとの生活に終止符を打つ気持ちは想像に難くない。最後までアメリカのエクスクルーシブ・モーターカーズ、そしてRUFでチューニングとメンテナンスを続けた、まさに両社の歴史を語るに不可欠な1台ともいけるBTR III。

 注目の落札価格は、予想落札価格の35万~45万ドル(邦貨換算約4020万~5170万円)の上限に近い、44万5000ドル(約5100万円)だった。

 そのストーリーとコンディションの確かさ。そしてそれがRUFを象徴する1台であることを考えれば、この落札価格も十分に説得力のあるものといえそうだ。

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