スウォッチとコラボしたオメガ「スピードマスター」のオリジナルNASA公認ムーンウォッチが150万円で落札! なぜ「cal.321」が注目されるのか?
傑作ムーブメント「cal.321」搭載「スピードマスター」の落札価格は?
以上が、誕生から月面着陸までにいたるオメガ・スピードマスターの簡単なヒストリーだが、実は諸説入り乱れているというのが実際のところである。とくに、同時期に発売されていた3rdと4thに関しては、様々な説があるのでご了承いただければ幸いである。

●NASAも認めた歴史的時計の価値とは
だが、ヴィンテージなマーケットにおいて、初代から4代目までの人気が飛び抜けて高いというのは紛れもない事実。5代目以降が落ち着きを見せているのに対し、4代目までの落札価格は上がるばかり。そこには、傑作ムーブメントといわれる“cal.321”の存在が大きい。
伝説の時計師、アルバート・ピゲが手掛けたcal.321は、クロノグラフムーブメントとしてはコンパクトな27mmサイズを実現し、インナーケースが入っているために衝撃にも強かった。そして、そのクロノグラフ制御には、コラムホイール方式が採用されていた。
腕時計に組み込んだストップウォッチともいうべきクロノグラフの制御方式は、コラムホイール式とカム式に分類される。製造に高い技術が要求され、コストダウンの難しいコラムホイール式を採用していたのがcal.321であり、4thまでのスピードマスターに搭載されていた。
お断りしておきたいのは、1967年登場の5thに搭載されたカム式のcal.861の性能が低いわけではない。ハイビート化によって精度は高められ、カム式の弱点といわれていた誤作動もブレーキレバーの追加で軽減している。そもそも、傑作cal.321の進化系であり、その改良はピゲ自身によるものなのだ。だが、コラムホイール式のロマンには勝てない……という事実が、ヴィンテージなスピードマスターの落札価格に反映されているのだ。
すべての始まりとなった1st。初めて宇宙に行った2nd。NASA公認を勝ち取った3rdとムーンウォッチとなった4th。その伝説を支えたcal.321の存在は大きい。
伝説の価値として、サザビーズが示した4thモデルのエスティメートは1万2000〜1万8000ドルであった。2022年3月8日におこなわれたオークションでは、わずかにエスティメートに届かない1万1340ドル(邦貨換算約145万円)であったが、それでも十分にリスペクトされた落札価格だと思うのだが、いかがだろうか?
●製品仕様
・リファレンス:145.012−67 Speedmaster
・年式:1968年
・ケース径:40mm
・ケース:ステンレススチール/スクリューダウン・バック
・ブレス:ステンレススチール/オメガブレスレット
・文字盤:ブラック
・ムーブメント:cal.321メカニカル/17石
・付属品:ボックス無/保証書無
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