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レクサスの未来を占う重要モデル「RZ」を深掘り! 見えてきた「次世代レクサスの戦略」とは?

EV100%を打ち出さねばブランドが埋もれる!?

 RZを2022年中に市場投入するレクサスは、2035年にハイブリッド車を含めたエンジン搭載車を廃止し、EV専門ブランドになるという目標を発表している。筆者は正直なところ「そんなこと本当にできるの?」と感じている。

RZの航続可能距離は約450km。進化した電池制御技術などにより、10年後90%以上という世界トップクラスの電池容量維持率を確保した
RZの航続可能距離は約450km。進化した電池制御技術などにより、10年後90%以上という世界トップクラスの電池容量維持率を確保した

 たとえば、自宅駐車場に充電器を設置できない人はどうするの? とか、究極のヘビーデューティ性能が必須の「LX」はどうするの? とか。さらにいえば、2035年の世界情勢、エネルギー情勢、電力インフラの進捗状況、それにともなう各国の規制やユーザーの嗜好を予見するのは極めて困難であり、そのタイミングでベストなクルマがEVであると決めつけるのはビジネス上のリスクになり得る。実際、半年前に現在のウクライナ情勢やそれに伴う天然ガス不足をいい当てた人などいなかったように、世界は複雑に、かつ速く動いている。

 レクサスブランドを展開する当のトヨタにしても、10年、15年というスパンで“EV100%”が確定事項でも現実的でもないことなど百も承知だ。だからこそトヨタブランドは、EVだけでなくエンジン車、ハイブリッド車、プラグインハイブリッドカー、水素燃料電池車、さらにはカーボンニュートラル燃料対応車といったマルチソリューション戦略をとっている。

 ではなぜ、レクサスはEV100%という目標を打ち出してきたのか? ひとつは、世界的な脱炭素の流れに乗るというイメージ戦略。現実的かどうかはともかく、EVオンリー宣言は間違いなくブランドイメージの先鋭化につながる。テスラが大躍進し、ドイツのプレミアムブランドも次々と野心的なEV路線を打ち出してきているなか、これくらいのことをいわなければブランドが埋もれてしまうという危機感は当然抱いていたはずだ。

 もう1点は、トヨタには無理でも、先進国の富裕層を中心にビジネスを展開しているレクサスなら100%EVが成立する見込みがあるということ。できるとはいわないが、トヨタブランドよりはずっとやりやすい。なぜなら、価格の高さを気にせず購入でき、なんならガレージにはエンジン車がもう1台置いてあるような顧客のみをターゲットにすればいいからだ。

2035年に100%のEV化を目指しているレクサス。今回のRZを皮切りに、スポーツカーや次世代型セダンなど、多彩なモデルを市場投入する準備を進めている
2035年に100%のEV化を目指しているレクサス。今回のRZを皮切りに、スポーツカーや次世代型セダンなど、多彩なモデルを市場投入する準備を進めている

 ということで、兎にも角にも100%EV宣言をしたレクサスだが、宣言はあくまで宣言に過ぎない。これから始まるのが、いかに売れるEVをつくるか、という本当の戦いだ。そうなったときにもっとも重要なのは、当たり前だが“魅力的なEV”をつくることに尽きる。いくら生産しても在庫の山になるだけでは意味がない。

 そこで想定されるレクサスの戦い方は、手厚いアフターサービス(テスラはここが脆弱だ)を提供しつつ、信頼性、耐久性に優れ、かつ高性能で快適な商品を適正な価格で提供する、というものになるだろう。

 もう1点、自前の充電ネットワーク整備もキーになるが、ここはテスラと違ってみずからの存在を“公器”と位置づけるトヨタが、自社の充電ネットワークをトヨタもしくはレクサスオーナーのみに限定するとは考えにくい。トヨタはレクサス店を含む国内5000店舗に急速充電器を設置する方針だが、それは自社のEVを売るためではなく、EV全体の普及を見据えた充電インフラ整備に尽力する、というニュアンスで捉えるべきだろう。

●LEXUS RZ PROTOTYPE
レクサス RZ プロトタイプ
・全長:4805mm
・全幅:1895mm
・全高:1635mm
・ホイールベース:2850mm
・駆動方式:4輪駆動
・出力:フロント150kW(203.9ps)、リア80kW(108.8ps)
・総電力量:71.4kWh
・1充電走行距離(WLTC):約450km(開発目標値)

Gallery 【画像】レクサスが満を持して発表したピュアEV「RZ」の詳細を見る(15枚)
「2段あたため」レンジがすごすぎるっ!? 最新レンジを徹底紹介

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