一度乗るとエンジン車に戻れない!? 日産「サクラ」は200万円以下で買える「最強の街乗りモデル」
トルクは2リッター自然吸気エンジンに匹敵
日産が先ごろ発表したニューモデル「サクラ」は、いま、実質200万円以下で買える最強のシティコミューターだ。ちょっと動かしただけでそう思わずにはいられないほど、強いインパクトを秘めている。

サクラの特徴はなんといってもEV(電気自動車)であることだが、走らせたときの質感とポテンシャルの高さは軽自動車の概念を打ち破る。その理由は、とにもかくにも心地よくドライブできるため。軽自動車枠に収まる小さなボディサイズゆえ狭い路地でも運転しやすい上に、アクセルペダルを踏んだ瞬間からシャープかつスムーズにスピードが乗っていくEVならではの加速フィールにより、エンジン車とは一線を画す世界観を味わわせてくれる。
なかでも、振動の少なさと静粛性の高さはモーター駆動車ならではのもので、この上質な走りを一度味わってしまうと、エンジンで走るフツーの軽自動車には戻れなくなりそう。それほどサクラの走りは洗練されている。
街乗りグルマ=シティコミューターというと、利便性重視のモデルであり、乗り味など二の次と思われがちだ。しかしクルマ好きとしては、単に便利なだけでなく、運転して楽しいモデルを選びたいと思うのは当然のこと。その視点から見ても、サクラはショッピングリストの一番上位に来るはずだ。
●気づけば想像以上に速度が乗っている
そんなサクラの美点としてまず声高にいっておきたいのは、加速が力強いということだ。195Nmという最大トルクは2リッター自然吸気ガソリンエンジンに相当するもので、ターボエンジンを搭載する軽自動車の約2倍。車重が1トン強のサクラには十分以上の動力性能だ。
実際にドライブしてみると、加速Gの急激な立ち上がりこそないものの、なめらかに加速し、気づけば想像以上に速度が乗る。そんな特性は、ストップ&ゴーを繰り返す街乗りにとてもよくマッチしている。
加えて、サクラは段差を乗り越えた際の路面からの衝撃のいなし方や、コーナリング中のハンドリングの落ち着きぶりもお見事。乗員に伝わる衝撃が明確に小さいから、ひとつどころか、ふたつも3つもクラスが上のクルマに乗っているかのように快適だ。

そんな乗り味を生み出せた一番の要因は、しっかりとした車体にある。走行用のバッテリーを搭載するにあたり、サクラのボディにはガッチリとした補強が入れられた。フロントシート下やBピラーの下、そしてリアシートの足元あたりに、シャシの左右を結ぶ極太のブレースが追加されるなど車体剛性を高めている。
また、ステアリング操作に対する応答性に優れ、背が高いクルマとは思えないほどスムーズにターンインできる理由は、フロア下にバッテリーを積んだことで重心が下がったことと、クルマの後部が重くなったことで前後重量配分が最適化され、曲がりやすい車両特性になったことが大きい。あまりに曲がりやすいため、高速域ではパワーステアリングの切り始めが重くなるようにセッティングを見直したというほどだ。
実質200万円以下で買えるモデルで、乗り心地まで含めてこれほど動的質感の高いクルマは、サクラの兄弟車である三菱「eKクロスEV」を除くと、ほかではちょっと見当たらない。
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