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「サクラ」が話題の日産のEV 新“フラッグシップ”の「アリア」は走りに感動できる意欲作

EVの先駆者=日産自動車の新たな旗艦

 日産自動車が新しいEV(電気自動車)の「アリア」をお披露目したのは、2020年7月のこと。それから2年弱、ようやく日産EVの新たなフラッグシップが街を走りはじめた。

アリアは日産自動車がリーフにつづく次の一手として世に送り出したEV。美しいフォルムや気持ちのいい加速フィール、EV時代にふさわしい斬新なインテリアなど見どころ満載
アリアは日産自動車がリーフにつづく次の一手として世に送り出したEV。美しいフォルムや気持ちのいい加速フィール、EV時代にふさわしい斬新なインテリアなど見どころ満載

 量産EVのパイオニアといえば、多くの人がテスラをイメージするかもしれない。しかし、テスラが初の本格量産車となる「モデルS」を本国アメリカで発売したのは2012年6月のことだ。そこからさかのぼること1年半前の2010年12月、専用ボディを組み合わせた本格量産EVを発売したメーカーがある。それが日産自動車であり、その車種こそ、2021年末に累計販売台数55万台を超えた「リーフ」である。

 今回採り上げるアリアは、そんな日産自動車がリーフにつづく次の一手として世に送り出したEVだ。その実車を前にしてまず心惹かれたのはエクステリアデザイン。なんと美しいことよ!

 率直にいって、初代リーフのデザインは若干空回り気味だったと筆者は思う。「EVだからひと目でそれとわかるよう、変化を感じられるデザインにしよう」という意気込みは確かに伝わってきたが、魅力的なデザインだったかといわれれば、そうとは思えなかった。2代目にスイッチしてずいぶん端正なルックスになったが、感動を与えてくれるデザインかといえば、判断は難しい。

 しかしアリアのデザインは、リーフの路線とはきっぱりと決別。単刀直入にいえば、息をのむほどに美しいフォルムをまとっている。全体のプロポーションが整っている上で、余計な装飾を排し、ひと筆書きのようなシンプルさとなめらかな曲線による立体感の調和が見事だ。デザイナー陣は本当にいい仕事をしたと思う。

 初代リーフ誕生から10年ちょっとの間のデザインの進化は想像以上だと感じさせる力作。奇をてらうのではなく素直に美しさを表現したことが、成功につながっていると思う。

 インテリアのデザインも上々だ。水平基調とし、その上に液晶ディスプレイを載せたダッシュボードはスッキリとしていて、その雰囲気は“モダンリビング”という表現がふさわしい。また、ダッシュボード下部やセンターコンソールに木目調パネルをコーディネートしているが、空調や走行モード切り替えといったスイッチ類をタッチ式とした上で、それらを木目調パネルに内蔵している点が斬新すぎる。

水平基調とし、その上に液晶ディスプレイを載せたダッシュボードを核とするインテリアの雰囲気は、“モダンリビング”という表現がふさわしい
水平基調とし、その上に液晶ディスプレイを載せたダッシュボードを核とするインテリアの雰囲気は、“モダンリビング”という表現がふさわしい

 なかには「こんなスイッチは使いにくい」という人もいるだろう。けれどアリアの開発陣はそうした批判を覚悟の上で、新たなEVを生み出すにあたって従来の常識にしばられることなく、新しい次の一歩を踏み出したのだ。

 斬新といえば、電動で前後に150mmスライドする仕掛けを組み込んだセンターコンソールにも注目だ。シフトセレクターごと動かせるのは、電子制御シフトならではのもの。充電中など車内でくつろぐ際には、リラックスした姿勢をとれる位置にスライドさせられるなど、EV時代ならではの新しい発想が盛り込まれている。

 このように、随所に新しさを感じさせるインテリアだが、そこには、“走りを楽しみたくなる”とか、“ひたすら上質”といった要素よりも、開放感があってくつろげそうといった雰囲気が強調されている。そういえば、アリアとほぼ同じタイミングで世に送り出されたBMWのEV「iX」も、インテリアデザインはかつてのBMWで見られた走りのイメージとはベクトルが異なり、アリアのそれに近い雰囲気があった。EV時代のインテリアデザインは、くつろぎの演出がトレンドとなりそうだ。

Nextエンジン車とはまったく異なるパッケージング
Gallery 【画像】美しくて斬新、EVらしい走りも気持ちいい日産「アリア」を写真で見る(20枚)
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