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ポルシェ初代「カイエン」登場から20周年 「幻」に終わったコンバーチブルが公開!

2ドア・オープンSUVは通常モデルより20cm長いドアを持つ

 独ポルシェは2022年8月4日、ポルシェ初のSUV、ポルシェ初の5ドアモデルとして20年前の2002年に登場した初代「カイエン」に、当時追加車種として検討されたものの、商品化されずに幻に終わった「カイエン・コンバーチブル」プロトタイプを公開しました。

発売されなかったポルシェ初代「カイエン・コンバーチブル」
発売されなかったポルシェ初代「カイエン・コンバーチブル」

 じつは当時のカイエンには、このコンバーチブルだけでなく、2ドアクーペやロングホイールベースの3列バージョンの3バリエーションが検討されていたようです。

 そのなかで、もっとも一般的でないように思われた全長4.8mのカイエン・コンバーチブルが実際に作られました。

 そのモデルはいまでもシュツットガルトのポルシェ博物館に収蔵されていますが、これはプロトタイプではなくPFM(パッケージ・ファンクション・モデル)として知られているものです。デザイナーはルーフを取り外しましたが、コンバーチブルに必要なボディの補強は省略されました。そのため安全な走行はできず、必要なときに目的地まで運ばれたといいます。

 ルーフはクーペのように後方に向かってなだらかに傾斜し、フロントガラスとAピラーが通常の初代カイエンよりも短くされています。

 またドアが通常モデルより20cm長くなっています。2002年の段階では、どのようにして高品質なソフトトップを素早く折り畳めるのか、リアエンドはどのようにデザインされるのか、まだ意見の相違があり、ふたつの異なるリアセクションが用意されました。

 ソフトトップ機構は、固定されたロールオーバーバーを越え、後部で反対方向に開いたラゲッジコンパートメントリッドによって「飲み込まれ」、Zパターンに折り畳まれるという、991型「911タルガ」でも採用された方法が考えられましたが、結局は生産に至りませんでした。

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 その後、日産「ムラーノ・カブリオレ」や「レンジローバー イヴォーク・カブリオレ」(生産終了)、VW「Tロック・カブリオレ」、など、オープントップのSUVはいくつか発売されましたが、当時のポルシェはこのコンバーチブルのアイデアをそれ以上追求しませんでした。

 2022年現在、カイエンは3代目に進化しています。

 ポルシェの2022年上半期における世界販売で、ベストセラーはカイエンで、4万1947台が顧客にわたりました。ちなみに2位もSUVの「マカン」で3万8039台、3位は「911」シリーズです。

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