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夢のエンジンが受賞の決め手! 日産「エクストレイル」のテクノロジーが高い評価を獲得した理由とは?

世界中で日産しか製品化できていない夢のエンジン

 日本国内で発表・発売された乗用車の中から、その年の最も優れた1台を選出する「日本カー・オブ・ザ・イヤー(以下、COTY)」。2022-2023シーズン、部門賞のひとつである「テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤー」に輝いたのは、日産自動車の「エクストレイル」だった。

100%モーターで駆動するe-POWER用の発電機として高い実力を披露したVCターボを搭載する日産「エクストレイル」
100%モーターで駆動するe-POWER用の発電機として高い実力を披露したVCターボを搭載する日産「エクストレイル」

 テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤーは「革新的な環境・安全その他技術を備えたクルマ」に与えられるとされる。

 昨今、クルマにおける先進技術はますます進化のスピードを上げ、特に安全装備に関しては数年前のクルマとは全く違うレベルへと到達。おかげで新型車が加害者側となる交通事故は年々減少する一方だ。

 しかし……である。2022-2023シーズンのテクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤーにエクストレイルが輝いた理由は、そうした領域の話ではない。クルマとして最も基本的な心臓部、発電をおこなうエンジンと駆動力を生み出すハイブリッドシステムとが高く評価されたのだ。

 何を隠そう、エクストレイルが搭載するハイブリッド“第2世代e-POWER”に組み合わせられたのは、世界中で日産しか製品化できていない夢のエンジン。凝った仕掛けを組み込んだ唯一無二の存在だ。しかも、昨今、自動車業界を騒がせている脱炭素社会への貢献度も高い。だからテクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤーの受賞も納得である。

 では、エクストレイルのe-POWERが搭載するこのエンジンは、何がスゴいのか?
それは“VCターボ”と呼ばれる可変圧縮比エンジンを採用していることだ。

 内燃機関は爆発時に多くのエネルギーを取り出すため、空気を凝縮する“圧縮”という行程が不可欠。通常のエンジンだと、圧縮比(圧縮する度合い)はどんな状況においても変化しない。固定圧縮比である。

 しかし、日産がエクストレイルのe-POWERに積む“VC(バリアブル・コンプレッション)ターボ”エンジンは、走行状況に応じて圧縮比が変化する。この部分が他のエンジンとは決定的に違うのだ。可変圧縮比エンジンを量産化できたメーカーは、過去も含めて日産だけである。

 エクストレイルのe-POWERが搭載する“KR15DDT型”エンジンの場合、圧縮比が8.0から14.0の間で変化する。ターボチャージャーを組み合わせているのもポイントで、パワーが欲しいときは「エンジン低圧縮/ターボ高過給」、燃費走行時は「エンジン高圧縮/ターボ低過給」に変化する。すなわちひとつのエンジンにふたつの顔を持たせているというわけだ。

Next低燃費でハイレスポンス、しかもパワーを引き出せるVCターボ
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