高性能スポーツカーに変身は正解? オープンカー好きが感じたメルセデスAMG新型「SL」の痛快さともどかしさ
F1マシンに使われる技術をフィードバック
「SL」といえば、メルセデス・ベンツの最高級オープンカー。“優雅な大人のスポーツカー”の筆頭であり、今、50代の僕にとっても「いつか……」と憧れる存在のクルマだ。

そのSLがフルモデルチェンジされ、新型が2022年10月より日本で発売された。しかしながら、新型SLには大きな“変化”が起きている。ブランド名がこれまでの“メルセデス・ベンツ”から“メルセデスAMG”へと変わったのだ。つまり新型は、メルセデスのスポーツ部門を担うAMGが開発を担当している。これは初代から70年を数えるSLの歴史においても相当な大変化だ。
新型SLの試乗会で初めて実車を見た瞬間、その変化を感じ取れた。なんとなれば“顔つき”が違う。AMGモデルの特徴である垂直のルーバーが並んだ“パナメリカーナ・グリル”が大きな口を開け、その両脇にサメの眼のようにつり上がったヘッドライトが配される。“優雅”というよりは“獰猛”というべきアグレッシブな印象。AMGブランドになったことを端的に表すフェイスだ。
デザイン面以外で先代との大きな違いはふたつ。2名分のリアシートを備えた“2+2”レイアウトになったことと、屋根が金属製の格納式バリオルーフから布製の電動ソフトトップとなったことだ。
狭いながらもリアシートを備えたことで(メルセデスのアナウンスでは、乗車は身長150cm以下を推奨)、実用性は大きくアップしている。一方、ソフトトップの採用は、主に軽量化という面でのメリットが大きい。具体的には、ルーフ部で21kg軽くなっているとのことで、車体の上屋部分でこれだけの軽量化となれば、運動性能に与える影響は確実に大きいだろう。
エンジンにも新機軸がある。“エレクトリック・エグゾーストガス・ターボチャージャー”の採用だ。これはわかりやすくいえば、ターボチャージャーに電気モーターを組み合わせ、その働きをアシストするというもの。これによりすべての回転域においてエンジンのレスポンスが向上するという。この“電動ターボ”の採用は量産車としては世界初で、メルセデスAMGペトロナスのF1マシンに使われている技術をベースにしている、というのもこの機構のウリだ。

今回日本に導入されたメルセデスAMG「SL43」に搭載されるエンジンは、2リッターの直列4気筒。「え? SLのエンジンが2リッター直4なの?」と思わなくもないが、とはいえ先の電動ターボなどとも組み合わされることで、最高出力381ps、最大トルク480Nmを発揮する。
これは先代SLの3リッターV6エンジン搭載モデル「SL400」より14psのパワーアップであり(最大トルクは20Nm低いが)、メルセデスAMGのダウンサイジング技術に感心させられる。ちなみにドイツ本国には4リッターV8ツインターボモデルもラインナップしているから、やがて日本市場に導入される可能性もあるだろう。
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