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2022年はEV元年!? 日産「サクラ」&三菱「eKクロスEV」のヒットに見る 日本での今後のEVの可能性とは

43回の歴史で初めて軽自動車が日本COTYのイヤーカーに

 日産「サクラ」、三菱「eKクロスEV」が、日本カー・オブ・ザ・イヤーのイヤーカーになりました。軽自動車がイヤーカーになったのは、43回の歴史の中で初めてのことです。

2022年6月に発売された軽規格の新型電気自動車日産「サクラ(SAKURA)」
2022年6月に発売された軽規格の新型電気自動車日産「サクラ(SAKURA)」

 これらのクルマに乗ると軽自動車の雰囲気ではなく、しっかりとした普通乗用車に乗った気分になれます。

 それは床下にリチウムイオンバッテリーがレイアウトされているためです。床下ががっちりと強固になりボディ剛性が上がり、低重心になり、ハンドリング性能が良く、路面からの振動が少なく乗り心地も良いことからそう感じます。

 走りは電気自動車らしく低回転から最大トルクを出せ、アクセルペダルを踏み込むとタイムラグなく即座にトルクが出てダイレクトな感覚でドライビングができます。

 このクルマはNMKVという日産自動車と三菱自動車の合弁会社が企画、開発をして、製造は三菱自動車の工場で行っています。外観と内装の一部が異なりますが、サクラとeKクロスEVの中身は同じものです。

 三菱自動車では2009年から「iMiEV(アイミーブ)」という電気自動車を発売していました。その実績とノウハウが今回の開発にも大いに活かされているはずです。日産自動車は安全面や自動運転系の技術は進んでいるので、高級車並みの運転支援機能もそのままこのクルマに採用されているわけで、時代の最先端のモデルになっているのです。

 サクラとeKクロスEVを合わせると、受注を開始して1か月あまりで3万台を超えたといいます。軽自動車としても大ヒットで、BEV(バッテリー電気自動車)としても新記録になりました。

 その理由は色々ありますが、最初にお話ししたボディ剛性から来る質感の高さに加え、モーターのトルクの太さから軽自動車とは思えない加速力を発揮できることが大きいと思います。

 195Nmというトルクは、エンジンに換算すると約2リッターの排気量のガソリンエンジンの最大トルクに相当します。660ccエンジンにターボを付けてもこの半分のトルクしか出せませんから、いかに電気モーターのトルクが太いのかがわかります。

 価格が予想以上に安いし、さらに補助金が付くので実際の購入価格で考えるとお手頃なのも魅力でしょう。

 安く抑えられた理由は、リチウムイオンバッテリーの容量を小さく抑えたことによります。

 日産リーフの場合には40kWhと60kWhの2種類のリチウムイオンバッテリーが用意されています。価格はグレードにより異なりますが、40kWhは408万1000円から444万4000円、60kWhは525万3600円から561万6600円の間になります。つまりバッテリー容量を増やすと価格が上がるということがわかります。

 サクラとeKクロスEVのバッテリー容量は20kWhと小さくしました。これにより車両価格が抑えられ、車両重量も重くならずに済みます。

 軽量な分だけ走る性能も向上することができます。ただし航続距離はWLTCモード燃費で換算すると180kmと短めですが、軽自動車の行動範囲を考えると充分だという割り切りができれば納得できると思います。

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こもだきよし
こもだきよし
モータージャーナリスト
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会長(2016年〜) 1950年 神奈川県川崎市生まれ 自動車レース、タイヤテストドライバーの経験を経て、1984年から新型車にいち早く試乗して記事を書くフリーランスのモータージャーナリストになる。クルマが好きというより運転することが好きでこの仕事をしている。 世界一の難所と云われるドイツのニュルブルクリンクの北コース(ノルドシュライフェ)を1984年5月に初めて走ってから40年間通い、BMW M社主催のBMW ドライビングエクスペリエンスで、インストラクターとしてドイツ人インストラクターとともに日本人参加者向けにニュルの走り方を伝えている。

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