マツダ「ロードスター」のハードトップは自作できる!?「3Dプリンター」で広がるカスタムの可能性
クルマのカスタムパーツも3Dプリントで
アメリカに住むマツダ「ロードスター」のオーナー、ザビエル・リップスコム氏は、愛車にハードトップが欲しいと考えたようです。けれど、予算には限りがありました。そこでチャレンジしたのが、家庭用3Dプリンターでハードトップの“型”をつくること、でした。

ロードスターのハードトップは、中古の純正品でも約2500ドル(約34万円)、社外品でもリアウインドウなしのものが1500ドル(約20万円)ほどで取り引きされています。
でも、家庭用3Dプリンターでつくる自家製ハードトップなら、材料費が30ドル、ファイバーガラスとエポキシ樹脂が100ドル、接着剤が60ドル、ウインドウシールが12ドル、アクリルウインドウが150ドルの、合計352ドル(約5万円)で必要なものがそろうと、リップスコム氏は試算しています。
近年、3Dプリンターの進化は目覚ましいものがあります。いまや家さえも3Dプリンターでつくれる時代になりました。また、クルマの世界でも、模型だけでなく実車のパーツでさえ3Dプリンターで製作するという話をたびたび耳にします。要は、データさえ用意できれば、いろんなモノを3Dプリントできる時代になったというわけです。
要となる3Dプリンターも、お手頃価格の家庭用が登場。DIY愛好家の頼れる味方になりつつあります。しかし、3Dプリンターを利用するには、プリントするモノの元となる専用データが必要です。そのデータをいかにして調達するかが、一般ユーザーにとっては高いハードルとなっているのも事実でしょう。
とはいえ、SNSの普及・発展とともに、最近は個人間でのデータ売買が盛んになっています。今回の主役であるリップスコム氏も、自作のハードトップの“型”データを100ドル(約1万3500円)で販売しています。つまり、家庭用3Dプリンターを所有している人なら、それを利用することによって総額452ドル(約6万円)でロードスターのハードトップを自作できる、というわけです。
●大きなパーツは分割してプリント
「家庭用の3Dプリンターで大きなハードトップをプリントできるの?」と思った方、鋭いです。
リップスコム氏の自作ハードトップも、家庭用3Dプリンターで製作することを前提に型が44ピースに分割されています。そのため材料費に、60ドル分の接着剤が計上されていたのですね。44ピースをプリント、接着することで、ハードトップの型が出来上がります。この型に合わせて、ファイバーガラスとエポキシ樹脂でハードトップを形成していきます。
ただし、リップスコム氏がアップロードしているYouTube動画を見ると、製作には相当な労力が必要な模様……。さらに個人的に気になったのは、ハードトップをどうやって車両に固定するのかまでは詰められていないという点です。ただそうした課題も、DIY好きの人なら自分でなんとかするのでしょうね。
ちなみに、2代目ロードスター向けとして、「ロードスタークーペ」のようなルックスになるファストバックスタイルのハードトップ用3Dプリントデータも用意しているようです。コチラは39ピースで構成されるほか、YouTubeにみっちりと製作工程が記録されています。
いずれにせよ、家庭用3Dプリンターを活用することにより、カスタムの可能性が広がることを実感させてくれるお話です。クリエイティブな人はどんどん面白いものを生み出してくれるでしょうし、そのデータは有償なり、無償なりでインターネット上にシェアされることでしょう。DIY愛好家にとっては素晴らしい時代の到来です。
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