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“旧車乗り”はメルセデスEVの旗艦モデル「EQS」に乗って何を思う?「驚きと感動のドライブ体験」とは

電気自動車なんかつまらない?

 メルセデス・ベンツが展開を進めるEV(電気自動車)「EQ」シリーズのフラッグシップモデル、新型「EQS」に試乗した。エンジン車の「Sクラス」に相当する車格であり、現在、世界で発売されているEVの中で、最も先進的な1台といえるモデルだ。

旧車乗りにもEVの面白さやポテンシャルの高さを痛感させたメルセデス・ベンツのフラッグシップEV「EQS450+」
旧車乗りにもEVの面白さやポテンシャルの高さを痛感させたメルセデス・ベンツのフラッグシップEV「EQS450+」

 さて、この記事を書いている僕はといえば、愛車は30年前に製造された1991年式のアルファロメオ「スパイダー」。つまり“旧車”のオーナーである。職業的興味を別にすれば、正直、これまでEVには全く興味がなかった。「電気モーターで走るクルマなんかつまらない」と思っていたことに加え、バッテリー容量、航続距離、充電設備のインフラなどの面から、「実用に足るようになるのはまだまだ先」と考えていたからだ。

 しかし、ここ1年ほどで、その考えが大きく変わってきた。大きな理由は東京都心から千葉の南房総に引っ越したことだ。引っ越したとはいえ、仕事柄、都内へ、箱根へと、週に数度は出かける。片道100km、往復200kmほどの移動はごくフツウになってしまった。すると当然、高速道路の通行料やガソリン代などの“移動費”が跳ね上がる。特に昨2022年は、高騰したガソリン代に悩まされた。すると、相対的にランニングコストの安いEVが気になり始めた。

 さらに、このところ各メーカーから次々にリリースされるEVに試乗する機会を得て、さまざまなバリエーションや個性があることを知り、EVが決して画一的で“つまらないクルマ”ではないということに気づいた。

 考えてみれば、このジャンルは今、各自動車メーカーが最大の力を投じてしのぎを削っている。さらに、自動車の100年に一度ともいえる大きな転換期だ。興味を持って相対すれば、面白いに決まっているのだ。

●1充電での後続距離は700km!

 今回試乗した「EQS450+」は、メルセデスEQシリーズのフラッグシップとあってボディサイズが大きい。全長5225mm、全幅1925mm、全高1520mmと、3サイズとも現行Sクラスを上回る。

 しかも、単に大きいだけではなく、プロポーションが全く違う。セダンの定石であるボンネット、キャビン、トランクという3ボックススタイルではなく、ボディ先端から後端のラインを大きな弧でつないだようなワンモーションフォルムを採用。そして、前後のオーバーハングが極端に短く、ホイールベースが長い。これはもちろん、フロントにエンジンを置く必要がなく、タイヤをボディの隅に配置できるからこそ実現したプロポーションだ。

 Sクラスより10cm以上長いホイールベース部分には、大容量のバッテリーが敷き詰められている。その結果、リア1モーター仕様のEQS450+では、1充電当たり700kmという航続距離がうたわれている。これは現行のすべてのEVの中で最長の部類だ。

 もちろんこれはカタログ値とはいえ、実質的な走行可能距離で考えてもロングドライブをこなすには十分だ。しかも、150kWの急速充電に対応し、残量10%の状態から30分の充電で約60%、48分の充電で約80%までチャージできるという。

Next空も飛べる!? 驚愕の加速フィール
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