高騰するガソリン代 電気代も上がっているいま EVとガソリン車では同じ距離を走るコストはどう違う?
問題なのはガソリンの二重課税などの不公平感
さて、昨今では電気料金も値上がりしていますが、1kWhが30円の根拠を見てみましょう。これは電力会社との契約の仕方によって価格は変わってきます。

TEPCOの場合、10〜60A(アンペア)の範囲は従量電灯Bになり、50A(100Vでいっぺんに5000Wまで使える)の契約の場合、基本料金が1476円20銭、最初の120kWhまで(第1段階料金)が1kWhあたり30円00銭、120kWhを超え300kWhまで(第2段階料金)は36円60銭、これを超過(第3段階料金)すると40円69銭になります。
電気をたくさん使う家庭では、300kWhを超え400kWhくらいに達するケースも珍しくはありません。自分の家の使用電力量は電力会社からくる請求書に書いてあるので一度確認すると良いです。
家庭用の電気でBEVに充電しようとすると、すでに使っている300kWhを超えた第3段階料金を使うことになると考えられるため、1kWhあたり40円69銭で計算する方が確実です。
ということは、先ほどの通勤例で計算してみると、平均車速18km/hのケースでは40円で5.9km、つまり180円で26.55km、200円で29.5km走れるということになります。
高めの電気代で計算しましたが、それでも多くのガソリン車のレギュラーガソリン代よりも安いと言えるでしょう。いま、リッターあたり180円ほどのレギュラーガソリン価格で、燃費の良いハイブリッド車でも20km/Lほどの実燃費になることが多いというのがその理由です。
ちなみに日産「サクラ」の電費は124Wh/km、「リーフX」の電費は155Wh/kmなので、それを元に計算するとサクラが8.06km/kWh、リーフXが6.45km/kWhとなります。つまり机上の計算では、電気代40円でサクラなら8.06km、リーフなら6.45km、現在のレギュラーガソリンと同じ価格レベルの180円の電気代ではサクラは約36km、リーフは約29.25km、200円でサクラは約40km、リーフは約32.25km走れることになります。
さらに電力会社によっては夜間(契約により「夜トク8」午後11時から午前7時または「夜トク12」午後9時から午前9時)は割安になるプランもあります。
夜トク8は夜間31円84銭、昼間42円80銭、夜トク12は夜間33円53銭、昼間44円36銭(それぞれ1kWhあたり)になっています。毎日夜間に大量に充電するなら、このようなプランも良いかもしれません。
これ以上ガソリン価格が高騰したら、カーボンニュートラルのためというよりも、家計のためにコストダウンを考えるとBEVに乗り換えるという人も出てくるかもしれません。
ただしこれは、自宅で普通充電をするという前提での話です。各地にある急速充電を使うには、充電サービスに入会し、月額料金や都度利用料金などを支払う必要があります。
※ ※ ※
しかし、ガソリンそのものの価格はかなり安いのです。高くなっている原因は税金だということを忘れてはいけません。
1リッターあたりの揮発油税は48円60銭です。地方揮発油税は5円20銭。つまり1リッターのガソリンには製造して出荷するときに53円80銭の税金がかけられます。
ここに消費税10%が加わり、59円18銭が税金です。税金に税金がかけられる二重課税問題がこれです。
道路財源にするために徴収していた揮発油税ですが、道路財源不足を理由にさらに上乗せされた臨時の税金が暫定税率と呼ばれるもので、いまではこれが一般財源にあてられています。
いま政府はガソリン補助金を出していますが、根本的な揮発油税の25円10銭分の暫定税率分の徴収をやめれば、もっと簡単にガソリン価格が引き下げられます。
税金を集める財務省が一度吸った美味しい蜜を手放さないところが問題なのです。
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