VAGUE(ヴァーグ)

間延びした「メルセデスの往年のレーシングカー」 ミニカーを参考に製作されたって本当!? 南ア発“ワケありレプリカ”の正体とは

ペーター・ザウバーも称賛した実力はもはやアーティストの域

 かつてサーキットを沸かせたメルセデス・ベンツのレーシングカー「CLK-GTR」。南アフリカで製作中のそのレプリカが、昨今、話題となっています。

エンジンは搭載されていないが、ほぼ完成した状態にあるという「ELK-GTR」(C)Facebook『Johan Ackermann』
エンジンは搭載されていないが、ほぼ完成した状態にあるという「ELK-GTR」(C)Facebook『Johan Ackermann』

 メルセデス・ベンツの「CLK-GTR」は、1997年にメルセデス・ベンツとAMGがFIA GT選手権のGT1クラスに参戦すべく製造を開始したホモロゲーションモデル(レース出場の“条件”を満たすためにつくられた特殊な市販車)でした。

 ホモロゲーション取得のために1997年に1台(メルセデス・ベンツ社が保存)が生産され、その後、顧客向けに25台を限定販売しました(その中にはロードスターも5台あり、ブルネイ国王用を除くすべてが左ハンドル仕様となっています)。

 1998年冬から翌年夏(GT1クラス消滅後)にかけて生産された「CLK-GTR」は、販売当時、新車価格が日本円換算で2億5000万円ほどとなり、ギネス世界記録に「最も新車価格の高いクルマ」と認定されたそうです。

 日本では、音楽プロデューサーの小室哲哉さんが「CLK-GTR」とオープンモデルの「CLK-GTRロードスター」を所有していたのだとか。なお、GT1クラスにおける「CLK-GTR」は、1997年のFIA GT選手権において全11戦中6戦で勝利を収める強さを発揮し、メーカー/ドライバーの両タイトルを獲得した歴史的なレーシングカーとなりました。

 今回フォーカスするのは、そんなメルセデス・ベンツ「CLK-GTR」にそっくりな「ELK-GTR」というレプリカモデル。

 誰がなんの目的で、このレプリカを製作したのでしょうか? 実はこの「CLK-GTR」にそっくりな「ELK-GTR」なるレプリカを手がけているのは、某ドイツ車メーカーでテストドライバーを務めていたヨハン・アカーマン氏です。

 彼は、1988年と1989年に、南アフリカのレーシングドライバーであるトニー・ヴィアナのチーフメカニックを務めたこともある人物で、生粋のレーシングカー好き。

 そんなアカーマン氏の長年の夢は「レーシングカーをつくること」だったといいます。実際、オンラインゲームで存在を知ったという1984年のル・マン24時間耐久レースのウイナー、ザウバー・メルセデス「C9」のレプリカを製作し、南アフリカで話題になったこともありました。

 そのザウバー・メルセデス「C9」レプリカの製作模様をまとめた冊子が、あるとき、ザウバー・チームの創設者であるペーター・ザウバー氏本人の目にとまったのだとか。その後アカーマン氏は、ザウバー氏から「素晴らしい出来栄えだ」という誉め言葉が詰まった手紙を受け取ったといいます。

 ただ、アカーマン氏のFacebookページをのぞいてみても、彼のレプリカ製作は趣味なのか商売なのか定かではありません。溶接設備を自宅ガレージに備えているとも思えませんから、板金工場でも経営なさっているのでしょうか!? Facebookページでは、ウソか本当か、自己紹介の職業欄に「航空機用エアコン業」と表示されています……。

Next本物を見る機会がないので違いが分からない!?
Gallery 【画像】「えっ…!」これが設計図なしに製作されたメルセデス・レーシングカーのレプリカです(11枚)
今しか買えない! 少量限定のプレミアムタイヤとは
浅草の職人魂から生まれた「KIWAME TOKYO ASAKUSA」 どんな腕時計?

page

  • 1
  • 2

VAGUEからのオススメ

タイヤの選び方が変わるーーデザインによる世界観の表現と性能とを両立したブリヂストン REGNO「GR-XIII B Edition」で“大人のドレスアップ”【PR】

タイヤの選び方が変わるーーデザインによる世界観の表現と性能とを両立したブリヂストン REGNO「GR-XIII B Edition」で“大人のドレスアップ”【PR】

RECOMMEND