散歩気分で身近な自然をスローに楽しめる新発想オープンカー

　ダイハツ工業は2023年10月25日、「ジャパンモビリティショー2023」のプレスデーにおいて、バギーテイストのオープンカー「OSANPO（オサンポ）」を世界初公開しました。

　オサンポは、全長3395mm、全幅1475mm、全高1330mm、ホイールベース2440mmという軽自動車規格に収まるオープン2シーターカーです。

　そのコンセプトは、「オープンエアの心地よさを散歩に出かけるような手軽さで楽しめ、日常にスローな価値を生み出す軽乗用EV」。つまり、軽自動車規格に収まる新発想のEV（電気自動車）を想定したモデルです。

　楽しい暮らしに寄り添う存在でありながら、コンパクトオープンカーならではのゆったりとした楽しさを味わえる1台で、その名のとおり、気持ちいい風に吹かれながら、散歩気分で身近な自然をスローに楽しめる贅沢なモデルとなることを想定しています。

　その前後スタイルは、どことなく初代「コペン」を想起させるもの。そこに、ブラックに塗られた前後バンパーや165/65R15という大径のオールシーズンタイヤ、そして190mmを超えるロードクリアランスを組み合わせることで、クロスオーバーカーのような雰囲気をプラスしています。

　インテリアはシンプルな造形が印象的。ソフトトップなどのルーフが存在しないことから、シート表皮は気軽に着替えられる構造が想定されています。

　EVの特性である圧倒的な静粛性を活かし、ゆったりとしたドライブシーンにマッチしそうなオサンポは、走りを追求したオープンスポーツカーとは対極にある特有の“ユルさ”が持ち味といえるでしょう。

●伝説の名車「フェロー・バギィ」の生まれ変わりか!?

　実はダイハツは、かつて同様のユルさが魅力的なモデルを世に送り出したことがあります。それが伝説の名車といわれている「フェロー・バギィ」です。

　1970年に誕生した同モデルは、軽商用車である「フェロー・ピックアップ」のプラットフォームやドライブトレインを流用し、その上に軽量なFRP製のバスタブ型ボディを架装。

　バギーらしいデザインの内外装に2名分のシートを内包し、最高速は95km/hをマークしていました。

　今回発表されたコンセプトカーのオサンポは、フェロー・バギィの現代版といえそうなモデルに仕上がっています。