「婚約指輪」と「結婚指輪」の違いは? 贈るのは指輪でなくてもOK? 現在の平均金額も調べてみた
●婚約指輪&結婚指輪が結婚式までに必要
いざプロポーズするとなったら、“いつどこで伝えるか”などを含め、まず思い浮かべるのは「指輪についてどうすればいいのか」という問題。
結婚までに必要な指輪はふたつ。プロポーズが受け入れられてお互いに結婚の意思が決まったら、「婚約指輪」と「結婚指輪」を用意するのが一般的です。
なぜふたつ必要なのかというと、それぞれの役割が違うからです。
婚約指輪は“エンゲージリング”ともいい、婚約の記念品として男性が女性に贈る指輪です。多くの場合、婚約指輪は婚約したタイミングで渡します。
また、映画やドラマではプロポーズの際に婚約指輪を渡すシーンが見られますが、最近では女性の好みに合わせるように、プロポーズしてからふたりで探しにいくケースも多いようです。
多くの女性にとっては、婚約指輪は昔からの憧れであり、記念品を超えた意味を持つものでもあります。
これに対して、結婚式の際にお互いに交換するのが結婚指輪です。“マリッジリング“”とも呼ばれ、結婚後は指輪をしたまま生活する人がほとんどです。
結婚指輪は、入籍する際や二人で結婚しようと決めたときなど、一般的には結婚するタイミングで渡します。
結婚式当日の女性側からすると、婚約指輪は右手薬指に移しておき、交換した結婚指輪を左手薬指にします。そして、結婚式後に婚約指輪を結婚指輪の上に重ねてつけます。
こうした意味の違いから、それぞれの指輪に求められる形も異なってきます。
婚約指輪には宝石が使われ、「ダイヤモンド」が定番とされます。1970年代にダイヤモンド会社のデビアスが、婚約指輪は給料の3ヶ月分というキャッチコピーで自社のダイヤモンドを広めましたが、現在でもその流れを継いでいるといえます。
また、婚約指輪にデザイン上の決まりのようなものはありません。
結婚指輪は、毎日使うものなのでシンプルなデザインが一般的です。婚約指輪とセットでつけられるようにデザインされたものもあります。

●婚約指輪を買う人は6割、結婚指輪は8割
それでは、実際にはいったいどれくらいの人が指輪を購入しているのでしょうか。株式会社リクルートによる「ゼクシィ結婚トレンド調査2023(首都圏)」から現在の状況をみてみます。
結婚を決めたときに婚約記念品をもらったという女性は75.4%です。そのうち87.7%の人が婚約指輪をもらったと回答しています。つまり、結婚した女性の約6.5割が婚約指輪をもらったことになります。
また、結婚指輪を購入した人は98.6%。購入する際にふたりで選んだという人は87.5%にのぼっています。
さらに、指輪の購入状況についてリクルートブライダル総研の落合歩所長は次のように話します。
「婚約指輪は6割前後の人が、結婚指輪は8割ぐらいの人が購入しています。ちなみに、結婚式を挙げた人の98.4%が結婚指輪を買っています」
では、どのような指輪に、いくらの金額をかけているのでしょうか。
前出の調査によると、婚約指輪の平均購入額は43.3万円。全国平均の38.2万円と比べると若干高くなりますが、30万円台のものを購入した人が31.4%と最も多く、この傾向は全国的に変わりません。また、全体の約半数の人が既製品を購入しています。
指輪の宝石は、やはりダイヤモンドを選んだ人が95.7%とほとんどです。使いやすく鑑定書もつく3.7〜3.8mmほどの0.2カラットダイヤが最も多いのですが、1カラット以上のダイヤもわずかながらみられます。
婚約指輪で重視する点はデザインと価格、石の品質が挙げられています。シンプルで洗練されたつけ心地のよいデザインが好まれているようです。
一方で、結婚指輪にかける金額は、二人分で平均30.8万円。20万円台が43.1%と最も多いのですが、男女それぞれでみると差があり、夫の指輪の平均は13.8万円、妻は16.6万円です。
結婚指輪も既製品を選ぶ人が61.2%と最多。夫の指輪はプラチナのリングだけで、妻はプラチナリングにダイヤつき。というふうに、デザインに差をつけるパターンが多いようです。また、90%の人がデザインを重視していますが、毎日身に着けるものだけに、婚約指輪と違ってシンプルで清楚なものが好まれています。
愛の証として用意する婚約指輪と結婚指輪。しかし、最近では指輪に縛られず、あえてほかの記念品を選ぶ人も珍しくないようです。
例えば、婚約記念品としてネックレスを選んだ人は7.9%おり、ほかにも時計やイアリング・ピアスといった身につけるものを贈る人がいます。その背景には、指輪より有効に使えるものがいいという気持ちがあるようです。
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婚約指輪を贈るのは定番である一方で、お金がもったいないといった理由からもらわないという女性もいます。しかし、そのような中にも、やっぱりもらっておけばよかったと結婚してから後悔する人もいるのだとか。
婚約指輪も結婚指輪も、その時にしか贈れない一生の記念品です。だからこそ、パートナーが納得するように選ぶことが大切かもしれません。