フェラーリはなぜ訴えたのか? 「F430」のワケありレプリカを“営業車”に使った中古車販売店が跳ね馬に勝訴できた理由とは
レプリカを使用したとして210万ユーロの罰金を請求
フェラーリは自社のブランド価値を守るために、差し止め請求の訴えを起こすことで有名です。

日本ではあまり知られていませんが、ドイツのチューナーであるマンソリ―が手がけたフェラーリ「FXX K」のカスタマイズパーツに対して、フェラーリが意匠権の侵害を訴えたこともあるほどです。
そんななか先日、スペインのとある中古車販売店がフェラーリからの訴訟に勝利し、ホッと胸をなで下ろしたというニュースが話題を集めました。
この中古車販売店は、フォード「クーガ」をベースとするフェラーリ「F430スクーデリア」のレプリカを顧客から買い取り、営業車として使用していたそうです。その期間はわずか12日間でした。
しかしフェラーリは、この中古車販売店を刑事告訴した上で、なんと罰金210万ユーロ(約3億2657万円)と1年の禁固刑を求めて裁判を起こしたそうです。
フェラーリに訴えられたこの中古車販売店、さぞかし気が気じゃなかったでしょうね。しかも、判決が下るまで実に3年もの月日を要したそうです。
当該レプリカ車両、そもそも販売店が手がけたものではありません。さらに、従業員の営業車として利用しており、押収された時点で売却の計画はありませんでした。
そもそもエンジンの搭載位置が異なりますし、フェラーリのエンブレムも不正確な上にイタリアの国旗ではなくチリの国旗があしらわれていたそうです。
中古車販売店の弁護士は、同店がフェラーリのレプリカ製作に携わっていなかったこと、フェラーリと周囲に誤認させようとしていなかったこと、さらに、同車を販売しようとしていなかったことなどを主張して争いました。
その結果、裁判所は同店が消費者やフェラーリの利益を害する意思がなかったと判断し、ひとまず決着を見ました。
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