イタリアを代表するスーパーカーブランドに異変!? いまや販売台数の半数以上が「ウルス」に! ランボルギーニはSUVメーカーになるのか?
販売台数が10年で約4倍に成長したランボルギーニ
ランボルギーニはイタリアを代表するスーパーカーブランドです。しかしその販売台数は、いまや半数以上をSUVの「ウルス」が占めています。フェラーリと並ぶスーパーカーブランドの名門は、このままSUVブランドへと変身してしまうのでしょうか?

ランボルギーニとフェラーリは、ともに魅力的なモデルを世に送り出すエクスクルーシブなスーパーカーブランドですが、かつて両ブランドの間には歴然たる差がありました。実は販売台数においては、圧倒的にフェラーリの方が秀でていたのです。もちろん、販売台数がすべてではありませんが、両ブランドを比較する上で、分かりやすい指標のひとつであることは間違いないでしょう。
さかのぼること10年前、ランボルギーニの年間販売台数は2530台だったのに対し、フェラーリは7255台でした。フェラーリの方が3倍も多く売れていた、って、スゴい話だと思いませんか?
そんなランルギーニが先日、2023年の販売台数を公表しました。それによると、前年比9.5%増の1万112台を販売したそうです。10年前に比べるとほぼ4倍。ランボルギーニの躍進ぶりがうかがえます。
一方、希少価値を保つことを重んじているフェラーリは、販売台数アップを必ずしも目標としてはいません。それでもここ10年で、彼らは販売台数を88%も増やしました。ランボルギーニとフェラーリの年間販売台数の差は、10年前の3倍から1.35倍まで縮まっています。わずか10年でこれほど業績を伸ばしたとは、ランボルギーニに神風が吹いていますね。
さらにさかのぼると、ランボルギーニがフォルクスワーゲングループの傘下に収まった1998年、ランボルギーニの販売台数はわずか231台に過ぎませんでした。世界中で、ですよ。
その後、「ムルシエラゴ」が投入され、「ガヤルド」が投入され、それらがどんどん進化し、販売台数は毎年、右肩上がりに増えていきました。
ガヤルドが投入された2003年には、販売台数が1305台にまで増えました。2009年、2010年はリーマンショックにより、それぞれ前年比で37%減、14%減に。新型コロナが猛威を振るった2020年は9.45%減となりましたが、それ以外の年は販売増を続けています。あと2~3年もすれば、フェラーリと同じ販売台数を記録しそうな勢いです。
●ラグジュアリーメーカーもいまやSUVが稼ぎ頭
この急成長をランボルギーニにもたらしたのは、間違いなくSUVである「ウルス」の市場投入です。
デリバリーが始まった2018年には1761台が生産され、全ランボルギーニ車の販売台数において30.6%を占めました。そして、2019年にはウルスの生産体制が本格的に整ったのか、ランボルギーニの総販売台数の6割を占めるほどに。昨2023年に至るまで、その割合を毎年キープしています。
意地悪ないい方をすれば、販売した車両の過半数がSUVとなったランボルギーニは、もはやSUVメーカーと呼んでも語弊がないような気がします。もっとも、昨今のSUV人気の勢いがとどまることを知らず、ロールス・ロイスでさえも最多販売モデルはSUVの「カリナン」ですし、ベントレーの最多販売モデルも同じくSUVの「ベンテイガ」です。SUV、恐るべしという時代です。
「ウルスの誕生により、ランボルギーニは新たな顧客の開拓を実現し、なかにはウルスをきっかけに、ウラカンや『アヴェンタドール』を購入される方もいらっしゃいます」とは、ランボルギーニ・ジャパンのゼネラルマネージャーであるダビデ・スフレコラさん。おそらく日本市場だけでなく世界各国でも、同様の現象が起きていることでしょう。
なお、ランボルギーニが毎年公表している販売台数の内訳を見てみると、直近3年における上位5か国はアメリカ、中国(香港・マカオ含む)、ドイツ、イギリス、日本だそうです。
ランボルギーニにとって最大のマーケットはアメリカで、2023年は3000台を販売したとのこと。ちょっと気がかりなのは、2021年と2022年に2位だった中国(香港935台、マカオ1018台を含む)が、2023年は唯一、前年割れとなる845台に落ち込んでいること。中国の不景気、かなり深刻なのでしょうか……。
ちなみに日本では、2021年に447台、2022年に546台、2023年は660台のランボルギーニ車が販売されたそうです。まもなくデリバリーが始まるV12搭載のプラグインハイブリッド「レヴエルト」は、2024年と2025年分の生産枠はがすでに完売しているそうですから、ランボルギーニの快進撃はまだまだ続くと断言できるでしょう。
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