1900馬力の加速は猛烈! “フェラーリのデザイン”でもおなじみ「ピニンファリーナ」が自ら手がけた「F1より速いスーパーカー」のスゴさとは?
人生で経験した中で文句なしに最高の加速
いよいよ「バッティスタ」に試乗します。と、その前に、まずは基本操作のレクチャーを受けます。

走行モードは4つ用意されていて、さらに車載コンピュータがドライバーの操作を学習し、それに合わせて制御がアジャストされていくことが説明されたら、今度こそスタート。ドライバーズシートに身体をすべり込ませてシートベルトを締めたら出発です。
走行モードは、まずは「Calma」から。英語の「Calm」、つまりは静粛モードといったところですが、何しろトルクが分厚いので、アクセルペダルを深く踏み込まなくても軽々と速度が高まっていきます。
けれど、いきなり飛び出すような違和感はなし。フットワークもおだやかで、見た目はスゴいけれどとても扱いやすく、ドライバビリティは相当練られているという印象です。
続く「Pura」モードは、要するに「Pure」。違いは、アクセルオフ時の回生ブレーキが強まることで、ちょっとペースを上げたドライブ、あるいは街中などで走らせやすいのはこちらでしょうか。そうすると「Calm」は高速道路向きかもしれません。
ワインディングロードに最適なのが「Energica」、つまりは「Energetic」モードです。出力が高まり、トルクベクタリングが最大限に発揮されるようになります。いったん速度を落として再加速。とはいっても100km/h辺りから一気にアクセルを踏み込むと、次の瞬間には160km/hを軽々突破していました。これは速い……。
ですが、やはりトルクの出方はピーキーではなく、踏み込むほどに力が増していく、伸びのよさすら感じさせるフィーリングで、扱いにくいとは感じませんでした。
もちろん最初から「Energica」では刺激が強過ぎるかもしれませんが、ともあれ印象を支配するのは、めちゃくちゃいいクルマだなということ。なるほど、あえてサーキットではなく、公道に近い路面のターンパイクでの試乗としたのは、こういう部分が伝わるように、ということだったのでしょう。
そうしているうちに料金所に到着。Uターンして、ここからは上りです。いったん完全停止して、一気に全開! 加速は当然すさまじく、速度計は一気に170km/h近くまで到達し、あまりの勢いに思わずアクセルが戻ってしまいます。
何しろ0-100km/h加速は1.86秒、0-200km/hだって4.75秒とF1マシンより上回る加速力の持ち主なのですから……予期せず見舞われた猛烈なGに、不覚にも首が後ろに持っていかれてしまいました。人生で経験した中で、文句なしに最高の加速です。いやー、速い!
そんな中で感心させられたのは、実際には4輪の接地感がしっかり確保されていて、ステアリング操作に対してクルマがリニアに動いてくれること。おかげでクルマを信頼できるので、さらに踏んでいく気になるという感じでしょうか。
乗る前には、人間の感覚を超えるほど速く、しかも4モーターのトルクベクタリングで過剰なほどに曲げていくクルマということもあり得る、と思っていましたが、いやいや想像以上の洗練ぶりでした。これには、前述の車載コンピュータの学習機能も効いているのかもしれません。
いや、納得している場合ではありません。走行モードはもうひとつ残されています。フルパワーが発揮される「Furiosa」、つまりは「Furious」です。
改めていうまでもなく、さらに、さらに速い! 吸い込まれるような加速に最初はひるみますが、加速感はやはりコントローラブル。自信を持って踏んでいくことができ、そうするとクルマがちゃんと応えてくれて、どんどんペースが上がっていきます。
それでもクルマの限界はまだまだ先。もちろん思い切り電子制御されているわけですが、違和感は皆無です。切れば即座に曲がり、すさまじい速度で曲がっていくのに、どこか余裕を感じながらドライビングに没頭できます。
サウンドについても触れておくべきでしょう。脈動を感じさせるような、決して人工的につくり込んだ感じではない走行音は、これまた快感につながるポイントとなっています。音に誘われて、ついさらに踏み込んでしまうという……。
* * *
いやはや、さすがピニンファリーナ。スポーツカーをよく分かっているな。えらそうないい方ですが、感じたのはそんなことでした。
単に速いのではなく、クルマとしっかり対話でき、しかもBEVのメリットを活かした各種制御で自分の限界すらも引き上げてくれるといいますか……。この「バッティスタ」を一度味わったら、「BEVはつまらない」なんてこと、もう思わなくなることは間違いないでしょう。
単に速い、怖いではなく、ひたすらに気持ちいいクルマ。まさか1900psのBEVに乗ってそんな感想が出てくるとは自分でも思いませんでした。この試乗体験、一生忘れることはなさそうです。
世界限定150台の「バッティスタ」。幸運にも手に入れられた方は、一度はぜひ全開走行をお楽しみあれ!
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