観光客の荷物の多さでバスや電車に乗れない!? どうしたらいい? 「手ぶら観光」は可能なのか
●スーツケースでパンパンすぎてバスに乗れない
現在、日本の観光地は多くの外国人観光客で賑わっています。日本政府観光客局によると、2024年3月には訪日外客数が単月として初めて300万人を超えたようです。
その反面、観光客が増えたことによる問題も浮き彫りになっています。
実際に、京都市のバス内で外国人観光客の持ち込んだスーツケースによって通路が塞がれ、住民が乗り降りに時間がかかってしまう、というケースが議論を巻き起こしました。
京都に限らず、各県の観光地ではバスや電車が移動手段として外国人含め多く観光客に利用されています。
しかし、そのために車内が混雑し、日常利用している住民に支障がでることが、各地で問題とされてきました。

とくに遠距離から訪れる外国人客は荷物の量も多いため、必然的にキャリーケースやリュックも大きいものを使わなくてはならなくなります。
実際にSNS上では「観光スポットの多い地域でバス通院してた時、外国人観光客のスーツケースはやたらでかくて通路を塞いでた」
「月1で東京~京都間を新幹線で行き来しているけど、かなりの頻度で外国人観光客のスーツケースに悩まされている。自分の席の頭上の棚が、外国人観光客の大きなスーツケースで埋まり、使えないことなどがしょっちゅうある」
というような声が寄せられており、バスや電車で外国人客の大きいスーツケースに不満を持つ人が多いようです。
このような事態に対し、「ある程度は仕方がないとはいえ、生活している人が優先される工夫が必要だと思う」「荷物の持ち込み制限をかけてほしい」など、地元の住民を考慮して荷物の制限などなんらかの措置を行うべきではないかという意見も寄せられています。
実際に、海外の観光地ではバスに持ち込む荷物の大きさが制限されている地域もあるようです。
そのため、日本でもこのような制度を導入するべきではないかという意見が多く上がっています。
●どうすれば混雑は解消される?
観光客の増加にともない、顕著になっていく交通機関の荷物問題。とくにバスは乗る人数が限られやすいため、日常的に利用している地元民からは不満の声もあがっています。
では、この問題を受け、バス会社のほうでは何か対策が行われているのでしょうか。京都市交通局の担当者は、次のように話しています。
「大型手荷物に関しては、駅のコインロッカーや観光カウンターなど、荷物をお預かりするサービスを積極的に案内させていただいております」
このように、大きい荷物を施設や観光カウンターに預けたり、駅やホテルなど次の目的地へ郵送して身軽に観光できるようにすることを「手ぶら観光」といいます。
国土交通省は手ぶら観光の推進を促しており、外国人観光客への認知を広めるために、各観光センターなどでは共通ロゴマークの認定を受けています。
京都市でも、バス車内の混雑解消のために、積極的に手ぶら観光を推進しているようです。
また、バス内でも、なるべく大きな荷物が通路の邪魔にならないよう対策が行われています。そのひとつが、混雑防止のために設置された手荷物スペースです。
手荷物スペースはバスの後ろ中央寄りに設置されており、大きいスーツケースなども置けるようになっています。
このようなスペースが用意されているバスが、京都市内の各営業所に1台は導入されているようです。
そのほかにも、交通局のホームページでの呼びかけや、バスドア付近に外国人向けのステッカーを貼るなどの取り組みが行われています。
しかし、このようにさまざまな混雑対策が取り組まれていますが、改善が難しい面も多いとのこと。
外国人観光客に関わらず、部活やクラブの荷物を抱えた市民の方や国内旅行者など、大きい荷物を持って乗車される方は多くいます。
そこで、荷物の大きさに関して、京都市の乗合自動車運送約款において、手回品の持ち込みは「総重量10キログラム、総容量0.3メートル立方、長さ1メートル」までと制限がかけられています。
しかし、その制限を超えての乗車が多いというのが現状です。
とはいえ、あまりに制限を強くしてしまうと、運転手の負担が増え、また時間もかかってしまいます。
そのため、現時点では制限強化というよりも手ぶら観光や大型荷物の持ち込み制限の周知を積極的に進めているとのこと。
前出の担当者はこう話しています。
「やっぱり、こうした荷物に関する状況に関する厳しい声はけっこういただいていますので、もっと周知させていくべきだと我々も考えております」
また、現在京都市バスでは観光系統の車両は前ドアから乗車し料金を先に支払う「前乗り」形式が採用されています。しかし、それ以外では中ドアから乗車し後から料金を支払う「後ろ乗り」形式が多いとのこと。
今後、「前乗り」形式を増やすことによって、乗車時に運転手が荷物を確認でき、混雑解消に少しでもつながるかもしれないとも考えているようです。
※※※
現在、観光客の増加に伴って、公共交通機関は地元民と観光客が共に心地よく使えるような体制を整えることが求められています。
スムーズな乗り降りを実現させるためにも、外国人観光客のような大きい荷物を持っての乗車を減らすため、手ぶら観光や持ち込み制限などの認知を広めていくことが重要だといえます。
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