「世界のレースシーン」を席巻! 2気筒にも4気筒にもない“3気筒エンジン”の個性とは? 代表的モデル3台の気になる実力【エンジンから見えるバイクの個性】
2気筒と4気筒を”いいとこ取り”した“3気筒”エンジン
バイクにはさまざまなタイプのエンジンが搭載されており、それが各モデルの個性を演出しています。そんな中、近年、ラインナップが充実しているのが“3気筒”エンジンを搭載するモデルです。

歴史上、“3気筒”エンジン搭載バイクはいくつも存在しましたが、近年において“3気筒”エンジンの先陣を切ったのはトライアンフです。2006年に登場した「デイトナ675」というスポーツバイクに“3気筒”エンジンを搭載していました。
このエンジンは、2気筒エンジンが持つ低中回転域でのトルク感と、4気筒エンジンの高回転域における伸びのよさの“いいとこ取り”を目指したものでした。この「デイトナ675」の運動性能が非常に優れていたことから、“3気筒”エンジンは注目を集めるようになります。
以降、トライアンフは“3気筒”エンジンに注力しており、MotoGPのMoto2クラス向けにも“3気筒”エンジンを供給。ほかに、街乗り向けやオフロード走行も視野に入れたアドベンチャーバイク向けにも“3気筒”エンジンを開発し、進化させ続けています。
国内メーカーで力を入れているのはヤマハです。2014年に登場した「MT-09」は“3気筒”エンジン搭載モデルの代名詞的な存在となっています。
このエンジンは、ヤマハが提唱する“クロスプレーンコンセプト”に基づき、クランクの慣性を小さくして爆発トルクをライダーに感じさせるねらいから設計されています。確かにこのエンジンはアクセルで爆発を直接コントロールするようなレスポンスのよさがあり、爆発的な加速力で多くのファンを虜にしてきました。
現代の“3気筒”エンジンは、2気筒と4気筒の中間的な特性を持ちながら独自の世界観を築いているともいえます。
またホンダも「EICMA 2024(ミラノショー2024)」において、新しいV型“3気筒”エンジンを発表。これは2輪車としては世界初となる電動過給機を採用したユニットで、低回転域からハイレスポンスと高トルクを実現しているといわれています。
●独特の乗り味が魅力的な高性能モデルが充実
ここからは、そんな“3気筒”エンジンを搭載する注目モデルをピックアップして紹介していきましょう。
トライアンフがMoto2クラスに供給する765ccエンジンのベースとなっているのは、「ストリートトリプル765」シリーズに搭載されている“3気筒”。このモデルは「デイトナ675」の系譜を受け継ぐもので、低中回転域から豊かなトルクを発揮し、高回転域では気持ちのいい伸び感を味わうことができます。
グレードは「R」と「RS」に加えて「MOTO2エディション」もラインナップ。コンパクトな車体が鋭く向きを変える鋭いハンドリングが魅力で、“3気筒”エンジンの魅力を体感するのに打ってつけです。
もうひとつ、トライアンフの“3気筒”モデルで注目したいのが「タイガー900」シリーズ。このシリーズには「GT」、「GT PRO」、「RALLY PRO」の3モデルがラインナップされており、オフロードも気兼ねなく走破できます。
オフロードでのトラクション性能を追求すべく、同じ“3気筒”でもこちらは不等間隔爆発を採用しているのが特徴。実際に未舗装路での走破性も高く、“3気筒”の可能性を広げるモデルだといえます。
ヤマハで注目したいのはやはり「MT-09」。いまやヤマハ製スポーツネイキッドの看板的な存在であり、2024年には自動変速機構“Y-AMT”を組み合わせたバージョンも登場しました。
搭載されるエンジンは、骨格を共有する「XSR900」シリーズやツーリングモデルの「トレーサー9」シリーズ、スーパースポーツの新モデル「YZF-R9」(日本未発売)にも採用されています。
そんななか、どの回転域からでもアクセルをひとひねりするだけで爆発的な加速が味わえる“3気筒”らしい特性は、「MT-09」が最も強く感じられると思います。
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2気筒にも4気筒にもない、独自の特性を味わえる“3気筒”エンジン。バイク乗りなら一度は味わっておいて損はないほどの強烈な個性を備えています。
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