「えっ……!?」走行距離わずか1万8000kmの“超希少”フェラーリ「F40ライトウェイト」が日本に! そのコンディションは?
「288 GTO」から「F40ライトウェイト」に
こうして誕生したF40は、直接的なルーツとなるモデルの製作にミケロットが携わり、開発時にル・マン24時間耐久レースへの参戦も画策してLM(ル・マン)とも称されていたこともあり、デビュー当初から戦うためのクルマであるというオーラや血統を、見る者、乗る者に強く意識させました。

F40が288GTO/288GTOエボルツィオーネから発展したということは、「308/328」シリーズがそのオリジンだったといえ、実際にF40も車体の基本構造としてフェラーリ伝統の鋼管スペースフレームを採用していました。
本稿の最初のほうでF40はスパルタンなモデルだったと書きましたが、それと同時にクラシカルなスーパーカーだったともいえ、ドライバーズシートに座ることを許され、最高出力478馬力を発生するドッカンターボエンジンのパワーを味わったすべての者が危うさを感じ、それが最大の魅力となったわけです。
今回快くF40を撮影させてくれたSさん(76歳)の愛車は、1988年から1989年という初期にのみに生産された大変稀少なライトウェイト仕様で、ノンキャタライザーエンジン、スライド式アクリル製サイドウィンドウ、内張り無しドアなどが特徴です。
F40の総生産台数は1311台と公表されていますが、ライトウェイト仕様はわずか100台程度しかデリバリーされなかったといわれており、良質だと標準仕様ですら5億円前後なので、まだ1万8000kmしか走っていないSさんの愛車(まさに奇跡の1台)は5億円オーバーという価値になるのかもしれません。
運転支援システムの類いが一切装着されていないF40の室内はレーシングカー並みにシンプルで、この運転席がドライバーを虜にしてきました。ヘッドライトはリトラクタブル方式で、固定式ガラス内にウインカーと補助ランプが納まっています。車体の右側にだけ“F40”という車名が刻まれたリアウイングも、長きにわたってファンを魅了し続けてきたディテールのひとつです。
リクライニング機能を持たないシートはケブラー一体成形のフルバケットタイプで、新車オーダー時に、S・M・Lの中から選択できました。
レオナルド・フィオラヴァンティ氏がデザインしたボディはコンポジット素材を主体としたもので、パワーユニットを外部から確認できるようにするなど、心憎い演出が光っています。

エンジンはF120A型と呼ばれる総排気量2936ccの水冷V型8気筒DOHC32バルブにIHI製のツインターボチャージャーを搭載します。フロントカウル内にはスペアタイヤを収めるためのスペースが存在し、ラジエターには2基の電動ファンが備わっています。
オーナーのSさんは、50歳ぐらいのときに288 GTOを購入し、長きにわたって愛用してきましたが、2023年3月にライトウェイト仕様のF40を迎え入れ、288 GTOを下取りに出しました。
全身にレーシングDNAを備えたF40のパフォーマンスは凄まじく、最高速度が324km/hです。0-100km/h加速タイムは4.1秒、0-400m加速タイムが11.9秒、0-1000m加速タイムが20.9秒だと発表されています。
スペチアーレ・フェラーリに乗りなれているオーナーのもとに来たライトウェイト仕様のF40は、ベストコンディションを保ちつつ、時おりトップレベルのパフォーマンスを発揮しながらしっかり動かされ、幸せな日々を過ごすことになるでしょう。
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