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“ナロー”と最新の「カレラGTS」新旧2台の「911」を展示!「貴重なスーパーカー」と最新BEVが示した「ポルシェと電動車の深い関係」

初代の“ナロー”と最新の「カレラGTS」2台の「911」を展示

 クラシックカーを中心とした自動車文化を愉しむイベント「オートモビルカウンシル2025」において、ドイツを代表するスポーツカーブランド・ポルシェは“原点と最新”という2台の「911」に加え、現在、同ブランドが積極的に取り組んでいる電動化を象徴する2台を展示しました。

1967年式のポルシェ「911S」
1967年式のポルシェ「911S」

 ブースで注目を集めていたのが、“ナロー”の愛称を持つ初代「911」の中でも、1967年式の「911S」。2リッター水平対向6気筒エンジンを搭載していた当時の「911」のラインナップ中、最も高性能なグレードで、デビュー時の最高出力は160馬力でした。

 一見しただけでは年式を見分けにくい“ナロー”ですが、今回の展示車両には1967年以前のモデルだとひと目で分かる特徴がありました。それがフロントワイパーの位置。停止した状態の位置が右側に来るのは1967年までのモデルであり、それ以降は左側に変更されています。

 もう1台の「911」は、最新型となる「911カレラGTS」です。“T-ハイブリッド”と呼ばれる電動化技術を搭載した初の「911」で、極めて独創的なメカニズムを搭載します。

 デュアルクラッチ式トランスミッションの“PDK”にモーターを内蔵した上で、ターボチャージャーも電動化。エンジンは3.6リッターの水平対向6気筒を組み合わせています。

 エンジン単体でも最高出力485ps、最大トルク570Nmと強力ですが、さらに“T-ハイブリッド”によってシステム最高出力は541ps、システム最大トルクは610Nmまで引き上げられています。

 さらに回生時は、電動ターボからも電気エネルギーを得ているのも特筆すべきポイント。「911」の伝統である“フラット6”の魅力を継承しつつ、環境性能と俊敏性を高めた新世代の「911」に仕上げられているのです。

 時代の要請により電動化が図られた最新の「911カレラGTS」ですが、ポルシェの電動車の歴史は、創業前までさかのぼります。

 ローナー社に雇われていた若き日のフェルディナンド・ポルシェ博士は、BEV(電気自動車)の「ローナーポルシェ」を設計。1900年のパリ万博博覧会で世界初披露し、絶賛されました。

 この「ローナーポルシェ」をベースとし、ラテン語で「いつも活気に満ちた」を意味する「Semper Vivus」と名づけられた世界初のハイブリッドカーも披露したほか、さらに、電動システムを活用した4輪モーター搭載の電気レーシングカーも開発。このレーシングカーは世界初の4WD車でもありました。

 その後、市販化にこぎつけた「ローナーポルシェ」は、300台ほどが世に送り出されたといいます。その後はエンジンが進化したこと、また、当時は電池やモーターの性能が低かったことなどから、電気自動車やハイブリッドカーは表舞台から一度消えることになります。

●電動スーパーカー「918スパイダー」や最新BEVも展示

 そんなポルシェは再び、量産ハイブリッドカーの開発に挑みます。それが、2011年5月に発売された限定車「918スパイダー」。「オートモビルカウンシル2025」の会場には、限定918台のうち、軽量化を図った「ヴァイザッハ・パッケージ」仕様の2015年式が展示されました。

「918スパイダー」は伝説のレーシングカー「917」をモチーフにしたスーパースポーツカー。4.6リッターのV8エンジンに加えて、前後に駆動用電気モーターを搭載することでシステム出力887psを発生します。

 プラグインハイブリッドカーゆえモーターのみでも走行できる「918スパイダー」ですが、エコカーというよりは電気を味方につけたスーパーカーととらえるべきでしょう。

 そして、最新のBEVである2代目「マカン」もポルシェブースをにぎわせていました。

「マカン」は「カイエン」よりコンパクトなSUVとして絶大な人気を誇るモデルですが、2世代目となる新型はBEV専用モデルにシフト。展示されていた「マカン4」は「東京マラソン2025」の先導車として活躍した1台で、書家である岡西佑奈さんが記した「先導」の文字と、イメージカラーであるプロヴァンスのボディカラーが印象的な1台でした。

 電動化によってよりシャープな印象となった2代目「マカン」のフロントマスクは、同じポルシェのBEV専用車である「タイカン」との共通項を感じさせるだけでなく、「911」シリーズ伝統の低いノーズデザインとも重なります。

* * *

 今回のポルシェブースは、ポルシェ博士が世に送り出した電動車「ローナーポルシェ」の写真も飾られるなど、ポルシェと電動車の深いつながりを意識させる内容でした。ポルシェが常に最新技術に関心を持ち、それを走りの魅力に変えてきた歴史を振り返ることができる印象的な展示でした。

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