まさに“駆けぬける歓び”の真骨頂!? 世界でたった50台のミリオンカー BMW「3.0 CSL」の魅力に迫る
最新のエンジニアリングの基に成り立つオマージュ・モデル
3.0 CSLを「G82型BMW M4に対して、BMW M自身が最高峰の“改造”をしてくれた」とたとえた、その具体的なパッケージに迫ります。

これは1970年代に欧州ツーリングカー選手権で大活躍したレーシングカーである元祖3.0 CSLをオマージュしながら、G82型BMW M4に手を加えたもの。CSLとはクーペ・スポーツ・ライトウェイト。軽量なスポーツクーペという意味を持ちます。
当時の3.0 CSLの特徴にして“バットモービル”と呼ばれた意匠が、数多く取り入れられています。とはいえ、単に表層だけ過去に寄せたわけではなく、最新のエアロダイナミクス哲学に則った結果でしょう。のべ200時間におよぶ空力開発が実施され、そのうち約50時間も風洞実験を繰り返したといいます。ボディパネルおよび空力付加物はすべてCFRP製で、CSLを象徴するよう大幅な軽量化(M4比で約マイナス180kg)も遂げています。
ボディカラーはアルピン・ホワイトに、「赤、紺、水色」というMストライプ、さらに「50」のゼッケンが、デカールではなく塗装で施されています。ホイールはセンターロック方式。5つのツインスポークは極限まで駄肉処理が施され、いかにも軽量鍛造ホイールといった印象です。サイズはフロント20インチ、リア21インチ。純正装着タイヤはサイドウォールに「50」が刻まれたミシュラン・パイロットスポーツ4Sでした。
インテリアデザインはM4 CSLに準じますが、カーボンをはじめ軽量素材がふんだんに使われています。前席はMカーボン製フルバケットシートで、リアシートは取り払われた2シーターカーへ。50周年を示すロゴがあしらわれたシフトノブなどが特徴的で、インテリアトリムには「#1/50から#50/50」まで生産台数すべてのシリアルナンバリングが施されます。なお、鈴木“BOB”康昭さんが手に入れたこの個体は「#15/50」でした。

パワーユニットはカタログモデルのM4/M3と同じS58B30A型3リッター直列6気筒ツインターボです。しかし、綿密なチューニングによって最高出力560馬力へ。マイナーチェンジ(LCI)後のM4/M3と比べても30馬力ほど高出力です。一方で、最大トルクはM4/M3の6速MTモデルと同じ、550Nmにとどまります。
最大トルクを控えめにしたのは、敢えてFR(後輪駆動)にして3ペダルの6速MTを組み合わせた関係でしょう。純然たる速さを追い求めるのであれば、2ペダル(8速AT)+4WD(M xDrive)に分があるのは間違いありません。しかし、これは記念碑的モデルであり、過去へのオマージュも含まれる。3ペダルで操る快楽を含めて、ラップタイムとは別次元にある「駆けぬける歓び」を優先したのだと思います。
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