航空機内のWi-Fiは今もなぜ“遅い”? 「国際線」にもやってきた無料化の流れ 今後期待される超高速Wi-Fiはいつ頃実現される?
機内Wi-Fiには国際線も国内線にも大きな課題が
そして、この機内Wi-Fiの導入は国内線でも進みます。

2014年7月、JALが日本国内で最初に対応し、ANAもこれに追従する形で2016年1月からスタートさせました。ただ、当初はJALもANAも国際線と同様に有料でのサービスとなっており、その料金も時間や距離に応じて課金され、さらにはスマートフォンとタブレットでは料金が違うなど、決して使いやすいものではなかったと記憶しています。
そんな利用者の声が反映されたのか、2017年7月、JALは国内線の機内Wi-Fi接続を無料で楽しめる「ずっとWi-Fi無料宣言!」を発表。ANAも2018年4月から無料化に踏み切り、ここから国内線での機内Wi-Fi無料の時代が始まったのです。
この背景には、北陸新幹線との競合があったと言われています。北陸新幹線は2015年に長野-金沢間が開業し、この影響で東京-小松など北陸方面への乗客減少が見られ、機内Wi-Fi無料化はその対策の一環だったというわけです。
もちろん、北陸新幹線にも無料Wi-Fiは備えられていましたが、長野-金沢間はトンネルが多く、開業当初は通信ができない時間帯がほとんどという問題がありました(現在は改善済み)。そのため、JALもANAも搭乗中はずっとインターネット接続ができるとして、ビジネスマンなどにそのメリットをアピールしたのです。
しかし、機内Wi-Fiには国際線も国内線も大きな課題を抱えていました。通信速度が極めて遅い上に、特に国際線ではエリアによっては接続が不安定になるといった現象が発生していたのです。
私もこれは実感していて、北に行くほど通信状態が不安定になりやすいように感じました。たとえば、北米へ向かう途中のベーリング海上空に差しかかると、決まって接続ができなくなる時間が増えていったのです。
さらにウクライナ戦争の影響で今はロシア上空を飛行することができなくなり、ヨーロッパへ向かうときはこのベーリング海から北極圏を経由するルートを通ります。すると北へ向かうほど衛星との仰角の関係から電波が捉えにくくなり、14時間のフライト中で4時間ほどはつながりにくい状況が生まれているのです。
ではどうしてこのような問題が発生してしまうのでしょうか。
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