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「え、欧州では販売終了…」ホンダ「シビック タイプR」が欲しいのに日本では受注停止中! “タイプR”って何がそんなにスゴいのか?

エンジン、足まわり、快適性…“完成度の高さ”が際立つFL5型

 ホンダは2025年6月5日、欧州での「シビック タイプR」の販売終了にともない、特別仕様車「アルティメットエディション」を40台限定で発表しました。日本では受注停止中となっている現行型シビックタイプR。この“究極のFFスポーツ”を、改めて振り返ってみます。

欧州で発売されたホンダ・シビックタイプRの特別仕様車「アルティメットエディション」
欧州で発売されたホンダ・シビックタイプRの特別仕様車「アルティメットエディション」

 ホンダは、2017年9月登場の先代(FK8型)を第2世代のシビック「タイプR」と位置づけています。2022年9月に発売された現行(FL5型)タイプRは、第2世代では2代目になります。

 現行タイプRは、欧州(英国含む)でファイナルエディションである「アルティメットエディション」が先日発表され、販売終了が近づいています。なお、日本では先代が4年というモデルサイクルになっていて、モデルライフが長くなる傾向にある新車事情においてタイプRは、比較的短い間隔でモデルチェンジを受けています。

 日本では現時点で受注停止中ですが、そろそろ買っておきたいタイミングといえるでしょう。ここでは、究極のFFスポーツといわれる現行タイプRを改めて振り返ってみたいと思います。

 現行タイプR最大の美点は、やはりエンジンです。2リッター直列4気筒ターボエンジンは、ターボや吸排気系の技術進化などにより、先代FK8の最高出力320馬力から10馬力アップの330馬力、最大トルクは400Nmから20Nm増強となる420Nmに向上しています。先代でも十分な速さに磨きをかけたわけですが、単に出力とトルクの増強を果たしているだけでなく、低速域のピックアップに優れ、高回転域までのレスポンスも明らかに鋭くなっています。ECU(エンジンコントロールユニット)によるエンジンマッピングの制御が巧みで、速度域を問わず扱いにくさとは無縁。

 加えて、6速MTのさらなる進化も見逃せません。先代から自動ブリッピング(回転合わせ)機構である「レブマッチシステム」を搭載していますが、現行型はシフトフィールをさらに洗練されるとともに、フライホイールのさらなる軽量化により、先代では実現できていなかった同システムの2速から1速のシフトダウン時の自動ブリッピングに対応。これにより、低速域での扱いやすいに大きく寄与しています。

 もちろん、ハンドリングのブラッシュアップも見どころで、インナー骨格や構造用接着剤などによるリアねじり剛性15%アップなどの剛性向上と同時に、樹脂製テールゲートなどの採用で軽量化も実現。ハンドリングは、先代までのピーキーさが抑えられ、サーキットから山岳路までFFとは思えない高い旋回性能を実現しつつ、パワーユニットと同様に扱いやすくなっています。

 また、「コンフォート」モードにしておけば、子ども連れの家族層でも許容できそうな乗り心地の良さも現行型の美点です。かつてのタイプRは、激しい上下動や左右に揺すぶられるようなハードな足まわりも特徴的でしたが、こうしたイメージを持っている人は、初めて対面する際は、身構えて乗るはずで、同モードであれば拍子抜けするかもしれません。

 2025年1月に発売された「レーシングブラックパッケージ」も完売になり、受注停止中であるタイプR。日本でも現行のファイナルエディションなどの特別仕様車が追加されたり、カタログモデルの受注が再開されたりすれば、抽選であっても即申込したいところです。

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