アウディの新しい電動SUV「Q6 e-tron」は走りもユーティリティも先進性も高次元! “ポルシェと共同開発”した新プラットフォームの実力は?
ポルシェと共同開発した車台に独自の高級感を融合
本記事の主役である「Q6 e-tron」は、筆者が感心させられた「Q4 e-tron」のお兄さん的な位置づけのモデルです。

全長4.8m弱のミッドサイズSUVで、「Q4 e-tron」と同様、エンジンの搭載を一切考慮していないBEV専用設計となっています。
リアシートやラゲッジスペースの広さなどのパッケージングは、「『Q4 e-tron』に余裕をプラスした」という表現がピッタリ。とても広くて実用的です。
今回試乗した「Q6 e-tron」は、「Q6 e-tron クワトロ」。駆動方式はアウディが“クワトロ”と呼ぶ4WDですが、BEVなので前後アクスルにモーターを配置したツインモーター仕様となっています。
「Q6 e-tron」の最高出力は、グレードによって252ps、388ps、そして490psの3タイプがありますが、「Q6 e-tron クワトロ」はその中間。車両重量が2.4トンとヘビー級ですが、388psもあれば動力性能は十分以上。実際、ドライブしてみても、グイグイと前へ出ていくのに加え、スピードの伸び感もなかなかのものがあります。
最近になって分かってきたのは、BEVで爽快なドライブフィールを実現するには、この伸び感が重要だということ。ひと昔前のBEVはスタートダッシュこそ素晴らしいものがありましたが、速度が高まっていった先での伸び感がなかったため、気持ちよさに欠けていたのです。
しかし、「Q6 e-tron」を始めとする最新のBEVはこの伸び感を体感できるので、運転していて心地いいのです。
いずれにせよ、「Q6 e-tron」のパワートレインはかなり洗練されていて、こういったところにもアウディ製BEVには一日の長があると実感します。
ワインディングロードを走ってみても、「Q6 e-tron」はスッと反応の遅れなく曲がり、ドライバーがねらった走行ラインをしっかりとトレースしてくれます。なので、ドライブしていて楽しいのです。
ちなみに、アウディジャパンの説明によると、「Q6 e-tron」のプラットフォームはポルシェと共同開発したもので「7割くらいはポルシェと同じ味つけ。残り3割はアウディらしさを重視してラグジュアリー方向に振っている」のだといいます。
●大容量バッテリーのメリットを実感できる乗り方は
ところで今、BEVを買うとしたら、1回の充電当たり、どのくらいの航続距離があれば満足できるでしょうか? 筆者は個人的に、500km以上なら十分満足できると思っています。
その点「Q6 e-tron」の航続可能距離はカタログ記載の数値で569~672km。都市部に暮らしていて、普段はあまり乗らないという人なら、月に1度充電すれば事足りてしまいそうです。これだけ走ってくれれば十分ではないでしょうか。
充電といえば、今回の試乗車が搭載していた走行用バッテリーは、100kWh(航続距離569kmのベーシックグレードのみ85kWhとなる)とかなりの大容量です。
アウディジャパンのスタッフは、「高速道路を使っての長距離移動時は、サービスエリアでのトイレ休憩などに合わせて10分ほど充電するだけで、航続距離をかなり伸ばすことができます」と自らの体験を教えてくれましたが、確かにその通りかもしれません。大容量バッテリーのメリットは、そういうところにもありますね。
というわけで、アウディの“最新技術”が詰まった「Q6 e-tron」ですが、「Q4 e-tron」と比較して、「Q6 e-tron」を選ぶ理由はどこにあるのでしょう? 筆者は3つのポイントが挙げられると感じました。
ひとつは、ゆとりを増したパッケージング、ふたつ目はパワフルさ、そして3つ目は、よりハイレベルなデジタル環境、といったところでしょうか。
「Q6 e-tron」は助手席の前にも10.9インチのディスプレイを搭載することができ、パッセンジャーが走行中もストリーミング動画などを楽しめるなど、デジタル環境はものスゴいことになっています。
ただ残念ながら、ドライバーは走行中には映像を観られないので、この装備を喜ぶのは助手席の人だけかもしれませんが……。
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