令和のデジタル時代でも タイヤの開発には「人」が重要!? ブリヂストンのテストコースで体感した「タイヤ実車評価」技術の重要さとは
同じ道を毎回同じように走ることができるかが重要なポイント
ひとつ目はモード走行で、ハンドリング路を周回します。
走行ラインはコースの左端の白線に沿ったライン取りをします。区間ごとに車速が決められていてスピードコントロールが要求されます。これを3周しました。(本来は5周するそうですが、プレス向けに3周になりました)

最初はエコピアNH200で、2本目はレグノGR-XⅢの2回トライできました。
そうやって走った結果が赤線と青線のグラフとして表されます。赤線はブリヂストンのベテランテストドライバー、青線は被験者のグラフです。

同じハンドリングコースで同じ指定スピードで走るのですが、ベテランと被験者のスピードのズレをチェックされます。同じ場所で加速しているか3周走る間の変化も見られます。こうして比べるとBSPGのベテランドライバーの模範走行がいかに指示どおりに走れているかがわかります。
つまりタイヤのテストドライバーは同じ道を毎回同じように走ることができるかが重要なポイントになるからです。走る条件が同じでないと比較はできないからです。
さらにもうひとつの試験はウエットスキッドパッドです。その中でも滑りやすいベルジアンと呼ばれる石畳の道で試験を受けました。

ここでは毎周のタイム計測が行われます。
試験は5周(本来は10周)ですが、なるべく速く走らなければなりません。速く走ればグリップ限界を超えてミスし、タイムが遅くなるというリスクを負うことになります。車両はFRのトヨタ「GR86」のMTでしたから、筆者は少しでも滑りにくい3速を選んで走りました。
それでも4周目にリアが滑って軽くカウンターステアを当てなくてはならなくなり、1秒のタイムロスをしてしまいました。
この試験もドライバーの運転技量だけでなく、運転のバラツキ度合いもチェックしています。速く走れることも大事だし、バラツキなく安定して走れることもテストドライバーとして大事なポイントだからです。
実はこれは第一ステップであって、さらにウエットハンドリングコース、サーキット走行での評価も待っています。だからといってモータースポーツ経験者を採用することはないそうです。
クセが付いていないドライバーの方が育てやすいからだという実車試験部の宮下部長の言葉が印象に残ります。
現在のブリヂストンの運転資格としては(試験人員の割合)、コース内移動(7%)、計測試験(27%)、操縦安定性走行(46%)、制約なし(20%)という割合になっているそうです。
開発がデジタル時代になったとしても、ブリヂストンとして最後は人が関わること、人がジャッジすることを重視していることが、今回の体験で確認いたしました。
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