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3.5リッターV6ツインターボ+ハイブリッドで450馬力オーバー! レクサス「フラッグシップSUV」の実力とは?「LX700h」はフツーのLXと何が違う?

ドライバーの気分を高揚させる「LX700h」のハイブリッド機構とは

 少し前まで「2035年までにすべてのラインナップをBEV(電気自動車)にする」を宣言していたものの、世界的な変化を受けて同計画は先送りとなったレクサス。

 とはいえ、先進性をアピールするブランドらしく、すでにBEVやハイブリッドなどの電動化率は高く、ラインナップの大多数でハイブリッド車を選べるようになっています。

レクサス「LX700h」
レクサス「LX700h」

 そんななか、現行型がデビューした2022年の時点で、国内市場向けのレクサス車としては唯一、ハイブリッドをラインナップしていなかったのがフラッグシップSUVの「LX」。新たに追加された「LX700h」は、そんな「LX」にとって待望のハイブリッドモデルといえます。

 ただし、誤解すべきでないのはその方向性。ハイブリッドというと多くの人は燃費に優れたモデルをイメージすると思いますが、「LX700h」は決して燃費コンシャスなモデルではないのです。

 もちろん、非ハイブリッドのガソリン車である「LX600」と比べれば燃費も向上していますが、それはカタログ記載のWLTCモード計測値でわずか1.3km/Lほど(「LX600」は8.0km/L、「LX700h」は9.3km/L)に過ぎません。

 このスペックに関しては「1割以上も燃費が向上している」という見方もあるかもしれませんが、「それほど変わっていない」と受け取る人の方が多いのではないでしょうか。

 そこで注目したいのが、なぜ今回、「LX」にハイブリッドが用意されたのか? ということ。それは冒頭に書いたように先進イメージをつくるためでもありますが、それだけではありません。重要なのは「LX」において“さらにワンランク上のモデル”を展開する、という点です。

 つまり「LX700h」は、「LX」シリーズにおいて最高峰に立つモデル。燃費もよくなっているけれど、それよりも大事なのは最もパワフルで、最もパフォーマンスに優れた仕様であるということです。

「LX600」のエンジンは3.5リッターのV6ターボですが、ハイブリッドの「LX700h」は同じエンジンにモーターをドッキング。エンジン単体で415psを発生する“600”に対して、“700h”は408psのエンジンと54psのモーターを組み合わせ、パワーユニットとして発生する最大出力であるシステム最大出力は457ps(北米仕様値)を発生します。

 また、システム最大トルクも650Nmから790Nm(北米仕様値)に引き上げられていることからもうかがえるように、つまり一段階のパフォーマンスアップを果たしているのです。

 そんな「LX700h」で興味深いのは、ハイブリッド感の演出。一般的に、ハイブリッド車はメーターやセンターディスプレイに“エネルギーフロー”と呼ばれるハイブリッドシステムのエネルギーの流れを示すグラフィックを表示することができますが、「LX700h」にはそれがないのです。

 ハイブリッドならではの表示といえば、メーター切り替えメニューのひとつとして小さな、本当に小さなモーター出力とバッテリー残量を確認できること。アクセルペダルをグッと踏み込んだときにはそのメーターが大きく振れるため、モーター駆動車であることを確認できますが、多くの人はよほど注意深く見ない限り気がつかないことでしょう。

 唯一、分かりやすい識別点といえるのが“セレクトレバー”。「LX」の中でもハイブリッドの“700h”だけ電子式となっていて、それが「LX700h」のインテリアにおいて分かりやすい「LX600」との識別点となっています。ちなみに、メカニズムを共用する300系の「ランドクルーザー」は、ハイブリッド仕様であっても電子式シフトレバーは採用していません。

 そんなアピール度合いの少なさから理解できるのは、「LX700h」はハイブリッドでありながら、ハイブリッドであることを声高にアピールする意思がない、ということ。“700h”は「LX」のハイブリッドモデルであるというよりは、あくまで「LX」の上位モデルであり頂点。背景にあるのは「ハイブリッド=エコで走りが軟弱」というイメージを持たれたくないという商品戦略でしょう。

 実際にドライブしてみても、そのことをひしひしと感じます。なぜなら、加速フィールにモーター感がないため。もし、目隠しされた状態で乗ったら、筆者(工藤貴宏)はハイブリッド車か否かを答えられないかもしれません。それくらい、「LX700h」はエンジン車のような加速感を示すのです。

 そんな加速感をつくり出しているのが「LX700h」が採用したハイブリッドシステム。トヨタ車で一般的な、燃費重視の“シリーズパラレル式(2モーター式)”ではなく、エンジンとモーターとトランスミッションを直列に配置した1モーター式となっているのです。トヨタが北米で“i-FORCE MAX”、日本向けでは“デュアルブーストハイブリッド”と呼んでいるタイプですね。「クラウン・クロスオーバーRS」などで国内展開しているパワートレインは、4気筒ターボエンジンを横置き搭載していますが、それを6気筒ターボとし、縦置き化したものと考えればいいでしょう。

 ハイブリッド車らしさを感じさせない加速の理由は、純エンジン車と変わらないダイレクト感と高回転域での力強さの盛り上がり、そして、加速にキレがあること。さらにビート感もあるので、「LX700h」をドライブしていると気分が高揚してきます。

 上限20km/h強ほどの低速域などアクセル開度が低くて負荷が少ないときには、モーターだけで走行することもありますが、そのときだけがオンロードにおいて電動車であることを感じるシーンだと思いました。

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「カチッ」と日常をオフに。至福の時を刻む、マインドフルネス

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