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次期型「エルグランド」にも搭載決定! 日産車の未来を占うパワートレイン“第3世代e-POWER”の実力とは? 気になる燃費や走り味は?

熱効率50%を視野に入れる超高効率エンジンを採用

 すでに日産自動車が「今年度の後半に公開、発売は2026年度を予定」と公式にアナウンスしている次期型「エルグランド」。そんな新しいラグジュアリーミニバンに採用されるコア技術のひとつが“第3世代e-POWER(イーパワー)”です。

 日本市場向けとしては次期型「エルグランド」が初の搭載モデルとなる新しいパワーユニットの実力を、ひと足先にチェックしてきました。

“第3世代e-POWER”を搭載する英国仕様の日産「キャシュカイ」
“第3世代e-POWER”を搭載する英国仕様の日産「キャシュカイ」

 その前に、あらためて“e-POWER”についておさらいしておきましょう。

“e-POWER”は日産独自のネーミングであり、一般的には“シリーズハイブリッド”と呼ばれるメカニズムです。

 ハイブリッドにおけるもうひとつの方式である“パラレルハイブリッド”が、エンジンとモーターの両方を動力源として利用するのに対し、“シリーズハイブリッド”はエンジンを発電機としてのみ使用。そこで発生させた電気を使ってモーターを回し、駆動力を得ています。ある意味、電気自動車に近いメカニズムといっていいかもしれません。

“シリーズハイブリッド”の特徴は、走行フィールのなめらかさやトルクの大きさ、そして反応の鋭さといったモーター駆動車ならではの美点を味わえること。また、低中速域での燃費に優れる点もメリットといえるでしょう。

 その一方、低中速域に比べて高速域の燃費がイマイチなのが、一般的にはウィークポイントとされています。

 日産の“e-POWER”以外では、ダイハツ「ロッキー」とトヨタ「ライズ」に積まれる“e-SMART HYBRID”が“シリーズハイブリッド”となっています。

 また、ホンダの“e:HEV(イー・エイチ・イー・ブイ)”や三菱「アウトランダーPHEV」に搭載されるシステムは、低中速域は“シリーズハイブリッド”としながら、高速域ではエンジンの動力を直接タイヤへと伝えるモードを組み合わせています。

 メカニズムが複雑になる分、この方式はコストがかかりますが、高速巡航時の燃費を良化させるためのアイデアとして採用されています。

 今回試乗した“第3世代e-POWER”の最大の進化ポイントは、実はエンジンにあります。発電に最適な燃焼方式を導入した新エンジンを組み合わせているのです。

 これまでの“e-POWER”は、フツーのエンジン車と基本構造が同じエンジンを組み合わせていました。しかし、新しい第3世代は、いわゆる“ミラーサイクル=アトキンソンサイクル”領域を大幅に拡大し、EGR利用のさらなる拡大や高圧縮比化、ロングストローク化を施した“e-POWER”専用の超高効率エンジンを採用しているのです。

 ちなみに同エンジンは、将来的に熱効率50%という常識外れの高効率化を視野に入れているのだとか。一般的に、エンジンの熱効率を高めると出力が下がりがちですが、その相反する部分を極めているのがキーポイントといえるでしょう。

 その上で、モーターなどのメカニズム(アクスル)でも、モーター、インバーター、減速機に加えて、発電機と増速機までを一体化した5-in-1のユニット化を実現。新たに採用された統合ユニットは、小型化・高剛性化はもちろんのこと、コスト低減にも貢献しているといいます。

Next動力性能もフィーリング面でも期待が持てる“第3世代”
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