ホンダのコンパクトSUV「ヴェゼル」の新スポーティグレード「RS」の実力とは? “心地いい走り”が印象的! 力強さを増したルックスが精悍です
「RS」であることを主張する専用仕立ての内外装
“ロードセイリング”の頭文字から名づけられた「RS」は、ホンダ車にとって特別な意味を持つグレードです。

「RS」が初めて設定されたのは1974年。初代「シビック」の追加グレードという位置づけでした。標準モデルの60psから76psヘと最高出力アップが図られたエンジンに、5速MT(標準モデルは4速)をドッキング。さらに、スポーティな専用セッティングを施したサスペンションを組み合わせ、走りの性能を引き上げたのがホンダ初の「RS」でした。
そんな「RS」グレードが、人気のコンパクトSUVである現行型「ヴェゼル」のハイブリッド仕様に登場。正式名「ヴェゼル e:HEV RS(イーエイチイーブイ アールエス)」にさっそく試乗してみました。
目の前にある「ヴェゼル」が「RS」か否かということは、ひと目見ただけで判別できます。
初代「シビック」の「RS」は、専用装備である砲弾型フェンダーミラーやホイールリングを組み合わせたブラックホイールを装着することで“「RS」らしさ”を演出していました。それと同様、現行型「ヴェゼル」も専用の仕立てとなるエクステリアで「RS」であることを主張します。
最も分かりやすいのは、前後バンパー下にいわゆる“ロアスカート”のような専用デザインが施され、特別なコーディネートとなっている点。15mm小さくなったロードクリアランスや、専用デザインとなるフロントグリル、ドラミラーのブラック化なども「RS」らしいスポーティなたたずまいを演出しています。
そんななか見逃せないのは、前後バンパーやドア下の樹脂パーツに、「RS」以外にはないダーククロームメッキのパーツが組み込まれていること。これは「RS」は単なるスポーティグレードではなく、上質さも兼備したモデルなのだという表れと受け取っていいでしょう。
インテリアにおける違いは、標準モデルではグレーとなるピラーやルーフの内張りが、ブラック化されていることと、ダッシュボードなどの各部に、差し色のレッドがあしらわれていること。この辺りはスポーティモデルで定番のコーディネートといえそうです。
そんな「RS」グレードで見逃せないのは、シャークフィンアンテナを省いていることです。理由は、機械式立体駐車場にも入れられるようにとの配慮から。「RS」はローダウンサスペンションでマイナス15mm、さらにシャークフィンアンテナの非装着化でトータル30mmの車高ダウンを実現。全高を1545mmとし、機械式立体駐車場に対応させています。これは都市生活者にとって、うれしいポイントといえるでしょう。
ちなみに、シャークフィンアンテナの代わりとして、リアゲートガラスにプリントアンテナが装着されています。そう聞くと「コストダウンでは?」と思う人もいるでしょうが、実はこれ、ハイブリッドカーでは結構ハードルの高い装備なのだとか。理由はノイズ対策で、モーターやインバーターなどが強いノイズを発するハイブリッドカーでは、ノイズの発生源に近い位置にあるプリントアンテナはその対策に難儀するのだそうです。
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