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日本じゃ見たことない! ブルネイ王室のために作られた「レンジローバー」がオークションに登場 33年前の貴重なオープンカーとは

カスタム コーチビルダーが製作した「シャモア」

 2026年1月に米国アリゾナ州フェニックスで開催されるRMサザビーズのオークションに、1992年型のランドローバー レンジローバー「シャモア」が出品されます。

 どんなクルマなのでしょうか。

オークションに出品予定の1992年型のレンジローバー「シャモア」(c)2025 Courtesy of RM Sotheby's
オークションに出品予定の1992年型のレンジローバー「シャモア」(c)2025 Courtesy of RM Sotheby's

 イケイケの活気にあふれた1980年代は、ヴァンテージフィールド リミテッドのような小さなカスタム コーチビルダーも、クルマ産業を賑わせていました。

 1982年にデヴィッド・リンダーとグラハム・チョークリーが設立したこの英国の会社は、専門の下請け業者を使って、コンバーチブルやストレッチシャシのさまざまなカスタマイズを手がけていました。

 中でも、メインの車種はレンジローバーでした。

「シャモア」と呼ばれるモデルはフルオープントップで、「ラピア」と呼ばれるモデルはルーフのみをカットしていました。

 いずれもレンジローバーをベースとしたモデルで、標準シャシとストレッチのシャシを用意していました。

 狩猟を想定して作られたので、油圧で座席をルーフラインよりも高く上昇させることができ、獲物を捕らえるための広い視界を確保できました。

 その職人技による完成度は高く、ヴァンテージフィールドのカスタム車はオリジナルの工場出荷車と見紛うほどの出来でした。

 1980年代らしいスタイルを体現して、6枚のサイドドアや6×6駆動システム、さらにはW126 メルセデス・ベンツ「Eクラス」のフロントエンドを移植したモデルまで製作していました。

※ ※ ※   

 今回の出品車である、上品に仕立てられた4ドアの「シャモア」は、ハンブルグのスタイリングガレージがブルネイ王室向けに製作した後期型2ドアモデルと同様の黒と白の2トーンカラーで仕上げられています。

 そのクルマは、新車状態でカリフォルニア州ビバリーヒルズの王室邸宅に納車されました。

 このシャモアとスタイリングガレージ製の2ドアは、前のオーナーがペアで購入したといわれています。

 この2台、1990年代は南カリフォルニアで登録・整備されていましたが、1999年9月に売却されたようです。

 このシャモアが、スタイリングガレージ製の2ドア コンバーチブルと対でブルネイ王室コレクションの一部だったことは、100%確実ではありませんが、信じられています。

 1999年に売却されてから、2台は南カリフォルニア在住のオーナーが保管して、近年になって今回の出品車が両車を購入するまで維持していました。

 一部のシャモアはリアボディが10インチ(約25cm)延長されていましたが、このクルマはテールゲートも含めて、魅力的なオリジナルのプロポーションを保っています。

 電動開閉式のホワイトファブリック製ソフトトップは全面裏地付きで、収納時には同じ色のソフトカバーで覆われます。

 当時のヴァンテージフィールドのカタログをデジタルスキャンしたところ、このシャモアはマルチスポークのアルミホイールを装着し、オプションの黒い着脱式ハードトップとともに映っていました。

 このシャモアは1993年以降カリフォルニア州にあり、今回のカタログ作成時での走行距離は4万1406マイル(約6万6700km)で、状態は良好です。

 ヴァンテージフィールドがカスタムした、1992年型のレンジローバー「シャモア」、オークションでの落札価格は10万USドル15万USドル(1USドル=約156円として、約1560万円〜約2340万円)と予想されています。

Gallery 【写真】王室のために作られたオープン・レンジローバーを見る(30枚)

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