世界を驚かせた“名車”を発見 半世紀以上前に世界初のDOHCエンジンを搭載したカワサキ「Z1」初期生産モデルがオークションで高値落札 どんなバイク?
世界最速を目指して誕生した「Z1」とは
2025年11月、アメリカのオークション「Bring a Trailer」で1973年式カワサキ「Z1 900」が発見されました。
いったいどのような個体なのでしょうか。
Z1は、1972年に欧州・北米仕様向けに発売されたモデルです。正式名称は「900 Super4」ですが、「Z1」という呼称で広く親しまれています。
カワサキがZ1を開発した背景には、アメリカ市場における性能重視の潮流がありました。
アメリカ市場では、燃費性能の悪い2ストロークより4ストロークのほうが好まれる傾向にあり、2ストロークエンジンを主力に開発していたカワサキは販売に苦戦していたのです。
さらに1960年代後半、ホンダが「CB750フォア」を投入。国産4気筒モデルが注目を集めるなかで、先を越された形となったカワサキはそれを上回るモデルの開発を決断します。
プロジェクト「T103」として始まったZ1の開発は、903ccという当時としては破格の排気量を持つ空冷4ストロークDOHC並列4気筒エンジンを中心に据えていました。
最高出力は82ps、最大トルクは約74Nmを発揮。0-400m加速は12秒台、最高速度は210km/h超とされ、当時の国産車や欧州車を凌駕する動力性能を備えていました。
また、構造面ではダブルクレードルの鋼管フレームに、フロントディスクブレーキや4本出しマフラー、ティアドロップ型タンクなど、機能とデザインの両面で革新が見られました。

さらに、メンテナンス性も考慮され、エンジンを車体から降ろさずに整備できる構造が採用されています。
そして、Z1は1972年秋にアメリカで発売。大型で豪華、かつ高速ツーリングに適した性能を備えたモデルとして、すぐに市場から歓迎される存在となりました。
なお、Z1は後に国内向けにスケールダウンした「Z2(750RS)」の登場にもつながり、カワサキがリッターバイクの分野で確固たる地位を築く起点となったモデルといえます。
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