生産終了が惜しまれる“第3世代「GT-R」”の不朽の魅力とは? 世界のサーキットで鍛えられたR35の“最終仕様”とニュルを攻めた“NISMOモデル”
“世界の「GT-R」”として成長したR35
R35型「GT-R」の生産終了を受け、日産自動車は先日、神奈川県横浜市の日産グローバル本社ギャラリーにて「GT-R」の歴史とファンへの感謝を込めた特別展示イベント「FOREVE“R”~GT-Rファンは永遠に~」を開催しました。
いつもは最新モデルから歴代の名車まで多彩な日産車で埋め尽くされる本社ギャラリーですが、同イベント期間中はその多くのエリアを歴代「GT-R」がジャック。“ハコスカ”の愛称で親しまれる初代から(現時点では)最終型となる“R35”まで、市販車とレーシングカー合わせて15台が展示され、全国から集まった熱心なファンで大いににぎわいました。
本記事では、その会場に展示された歴代「GT-R」の中から、“世界の「GT-R」”として成長を遂げた第3世代であるR35にフォーカスし、各モデルの魅力をご紹介します。
2002年にR34型「スカイラインGT-R」の販売が終了し、「GT-R」の歴史はいったん幕を閉じました。とはいえ、それは「GT-R」のストーリーの終焉を意味するものではありませんでした。
2001年の「東京モーターショー」において、“謎の存在”としてサプライズ公開されたのが「GT-Rコンセプト」。スペックは不明ながらも、日産が「GT-R」の歴史を紡ぎ続けるという強い意志を示したモデルであり、ここから新生「GT-R」の物語が始まります。
それから4年後の2007年10月、同じく「東京モーターショー」の場でワールドプレミアされたのが、量産型の新型「GT-R」。型式には、Rの系譜を感じさせる「R35」が与えられました。

開発の拠点となったのは、市販車開発の聖地として知られるドイツ・ニュルブルクリンク。開発総責任者を務めたのは、日産の名物エンジニアとして知られる水野和敏氏です。
日産自動車のモータースポーツ活動を担うNISMOでグループCレーシングカーの監督兼チーフエンジニアを務めた経験を持つ水野氏の指揮の下、新生「GT-R」は単なる“速いクルマ”ではなく、「300km/hで隣の席の人と会話することができる」という明確なコンセプトを掲げた究極のグランツーリスモとして開発されました。
モータースポーツを強く意識していた点は歴代の「GT-R」と同じながら、新生R35はそれまでのモデルと大きく異なり、他の日産車と基本構造を共有しない専用のプラットフォームを採用。
さらに、量産車としては世界初となる独立型トランスアクスル4WDの“プレミアムミッドシップパッケージ”を導入していました。これは、前輪駆動用シャフトが車体後方のトランスミッションからフロントデフへと伸びる構造を採用したもので、1台に2本の長いプロペラシャフトを備えるというユニークなレイアウトが話題となりました。
心臓部には、専用開発となる3.8リッターのV6ツインターボ“VR38DETT”を搭載。このエンジンは「匠」と呼ばれる熟練工によって1基ずつ手組みされ、担当ビルダーの名を刻んだ専用プレートが装着される、まさにスペシャルな存在です。
デビュー当初でも、最高出力は480ps/6400rpmで、最大トルクは488Nm/3200〜5200rpmというハイスペック。さらに、歴代「GT-R」初のATモデルとして専用開発の6速DCT(デュアルクラッチ式トランスミッション)を組み合わせるなど、世界最速を目指すためのこだわりが随所に盛り込まれました。
足元には、高性能ランフラットタイヤを装着。サイズはフロント255/40ZR20、リア285/35ZR20という組み合わせで、まさに“スーパーカー級のスペック“にふさわしいものでした。
その高性能ぶりを証明するように、2008年4月にニュルブルクリンク北コースで7分29秒03という当時の量産車最速記録を更新。その後も“量産車世界最速”の称号を守るべく、R35は継続的な改良を繰り返しながら進化を続けました。
これだけの性能を備えながら、2007年の発売時点では777万円〜という価格を実現していたことも驚異的だったといえるでしょう。
●熟成の極みである2025年式の「プレミアムエディション」
今回の特別展示では、R35「GT-R」の最終仕様となる2025年モデル「プレミアムエディション」が展示されました。

このモデルはその名のとおり“プレミアム”な快適装備を備えながら、走りとのバランスにも優れたグレードです。
BOSEサウンドシステムやアクティブノイズコントロールといったアイテムを採用し、高速クルージング時の静粛性や快適性を高めているのが特徴。
さらに、セミアニリン本革シートを含む「ファッショナブルインテリア」が選択可能で、ルックスと質感の両面で、長年熟成を重ねてきた“R35の完成形”ともいえる仕立てとなっていました。
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