「恋の病以外効かぬ病はない!?」 古くから人々に親しまれてきた「日本三大名湯」ってどんなところ? それぞれ違った個性を持つ“歴史背景と泉質”の特徴とは
続いては、岐阜県と兵庫県を代表するあの名湯
●岐阜県「下呂温泉」
続いてふたつ目は、岐阜県の「下呂温泉」です。
下呂温泉は、平安時代の頃から知られる歴史ある温泉地で、飛騨川のほとりに位置しています。
こちらの泉質はアルカリ性単純泉であり、源泉温度は84度という高い温度で湧出しています。

無色透明でまろやかな肌触りが特徴であり、入浴後には肌が滑らかになることから「美肌の湯」として親しまれています。
下呂温泉では、温泉資源を将来にわたって安定供給するために、集中管理システムを導入しています。
これにより、加盟している各旅館で同じ質の源泉を堪能することが可能です。
また、街中には「足湯」も数多く点在しており、白鷺伝説に由来する「鷺の足湯」や、ビーナス像が置かれた「ビーナスの足湯」など、散策の途中に気軽に名泉に触れることができます。
くわえて、木製の「湯めぐり手形」を購入すれば、加盟旅館の中から三軒の温泉を巡ることも可能です。
下呂の湯は、刺激が少なく肌に優しいため、幅広い年齢層が安心して入浴できる特性を持っています。
●兵庫県「有馬温泉」
そして、三つ目は兵庫県の「有馬温泉」です。
有馬温泉は日本最古の温泉のひとつとされており、日本書紀や風土記といった古い文献にもその名が登場します。
神代の昔に二柱の神が発見したとされ、舒明天皇や孝徳天皇といった歴代の天皇や、豊臣秀吉などの歴史的人物にも深く愛されてきました。

有馬温泉の最大の特徴は、成分の異なる二種類の湯が存在することです。
ひとつは「金泉」と呼ばれる含鉄ナトリウム塩化物強塩高温泉で、湧き出した直後は無色透明ですが、空気に触れると鉄分が酸化して茶褐色に変化します。
この金泉は塩分濃度が高く、皮膚に薄い膜を作るため保温効果に優れており、冷え性や関節痛に良いとされています。
もうひとつは「銀泉」と呼ばれるお湯で、無色透明の炭酸泉やラドン泉を指します。
銀泉は毛細血管を拡張させて血流を促進する効果があり、高血圧などの症状に適していると言われています。
狭いエリアにこれほど異なる泉質が共存している例は、世界的にも非常に稀です。
現在も情緒ある温泉街が残っており、歴史的な宿坊の流れを汲む旅館が軒を連ねています。
※ ※ ※
日本三大名湯である草津、下呂、有馬は、いずれも長い歴史の中でその価値が認められてきた場所です。
それぞれの温泉地が歩んできた歴史や背景を学ぶことで、入浴時の体験はより豊かなものとなります。
強酸性の草津、まろやかなアルカリ性の下呂、そして二種類の泉質を持つ有馬と、それぞれの個性を知ることで旅の楽しみはさらに深まるといえそうです。
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