「えっ、ブガッティにセダンがあったの!?」 倒産後にわずか3台が完成された 幻の“世界で一番美しい車”を発見 走行わずか388キロ 27年前の「EB112」とは
最高速300km/hは当時の最速4シーター
2026年4月にモナコで開催されるRMサザビーズ主催のオークションに、1999年式ブガッティ「EB112」が出品される予定です。
どんなクルマなのでしょうか。
現在のブガッティは、ラグジュアリーと高性能を極めた存在として高い評価を得ていますが、約40年前は状況が大きく異なっていました。
1987年、実業家ロマーノ・アルティオーリがブランドを復活させ、最先端技術を駆使したスーパーカー開発を推進します。その成果が1991年に登場した「EB110」で、カーボンコンポジットシャシやクアッドターボV12、四輪駆動といった革新的技術により注目を集めました。
アルティオーリの構想は2ドアスーパーカーにとどまらず、かつての「タイプ41ロワイヤル」のような高級サルーンの復活にも及びます。
そこで誕生したのが「EB112」でした。EB110の技術を基にしつつ、フロントエンジン化された6リッター自然吸気V12(最高出力約460馬力)を搭載し、四輪駆動と6速MTを組み合わせた4ドアファストバックとして開発されました。
1993年2月に開催されたジュネーブモーターショーで世界初公開されました。雑誌「オートモビリア(Automobilia)」ではEB112を「世界で最も美しい車」と紹介しました。
デザインはイタルデザインのジョルジェット・ジウジアーロによるもので、タイプ57SCアトランティックを想起させる分割リアウインドウやホースシューグリルなど、ブランドの伝統を現代的に再解釈しています。
EB112は4人乗りで、上質かつ控えめな空間が広がります。性能面でも0-100km/h加速4.3秒、最高速300km/hと、当時としては驚異的な数値が想定されていましたが、1995年にブガッティ・アウトモビリが破綻したことで量産には至りませんでした。

その後、モナコの実業家ジルド・パランカ・パストールが資産を取得し、未完成だった車両を引き継ぎます。最終的にEB112は2台が完成し、本車はそのうちの1台であり、現存する3台のうち最後に仕上げられた個体です。長らくパストールのもとで保管された後、2015年に現オーナーへ渡り、モナコで登録され実際に走行も行われてきました。
走行距離はわずか388kmで、現在の所有者は2オーナー目です。近年には専門工場による整備やエンジンのリフレッシュが実施されています。専用のラゲッジや工具、象のモチーフをあしらったアンブレラも付属します。
4ドアのブガッティが市販されていない現在において、EB112は唯一無二の存在であり、技術的魅力と希少性を兼ね備えた極めて貴重なモデルといえます。
この希少な1999年式ブガッティ「EB112」、落札予想は150万ユーロから200万ユーロ(1ユーロ183.9円換算で、日本円で約2億2586万円から3億6782万円)とされています。
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