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屋根もフロントガラスもない“スゴいフェラーリ” 生産わずか499台の「モンツァSP2」ってどんなクルマ? 走行417キロの“ほぼ新車”の価値とは

0-100km/h加速2.9秒と圧倒的な性能

 2026年5月に開催されるコンコルソ デレガンツァ ヴィラ デステでのブロードアローオークション主催のイベントで、2020年式フェラーリ「モンツァSP2」が出品予定です。

 どんなクルマなのでしょうか。

 自動車業界において「昔のようなクルマはもう作られない」という声は、決して珍しいものではありません。この声は、ある世代の愛好家が過去の芸術や工業製品の優位性を懐かしむ中で語られるものです。

 とりわけ20世紀半ばのフェラーリ製スポーツレーサーは完璧さの象徴として語られる存在です。当時のモデルは、危険と隣り合わせのスピード、官能的なサウンド、そして圧倒的なパワーを兼ね備え、シンプルでありながら美しい手作業のボディとともに、多くの人々の記憶に強い印象を残しています。

 安全基準の向上による設計上の制約や、空力性能の進化による機能重視のデザインへの移行などにより、現代において20世紀半ばのような思想を持つモデルが登場することはほとんどありません。そうした背景を踏まえると、往年の精神を現代に再現したモデルの存在は、非常に意義深いものといえるでしょう。

 その代表例が、モンツァSP2です。このモデルは2018年に発表され、「モンツァSP1」とともにフェラーリの新シリーズ「Icona」第1弾として登場しました。

 1950年代の「166MM」「750モンツァ」「860モンツァ」などから着想を得ており、クラシックなバルケッタスタイルを現代的に再解釈しています。

 生産台数はSP1とSP2を合わせてわずか499台に限られ、既存の顧客の中でも限られたオーナーにのみ提供されました。SP2は2人乗り仕様で、助手席用のスペースとヘッドレストフェアリングが追加されている点が特徴です。

オークションに出品予定の2020年式フェラーリ「モンツァSP2」(c)2026 BROAD ARROW AUCTIONS
オークションに出品予定の2020年式フェラーリ「モンツァSP2」(c)2026 BROAD ARROW AUCTIONS

 ベースは「812スーパーファスト」で、6.5リッター自然吸気V12エンジンを搭載しています。

 このエンジンは当時のフェラーリにおける最高峰の自然吸気ユニットで、最高出力810馬力、0-100km/h加速2.9秒という圧倒的な性能を誇ります。

 フロントウインドウを持たない大胆な設計も特徴で、「バーチャル・ウインドシールド」と呼ばれる空力システムによって走行風を制御し、ドライバーに純粋でダイレクトなドライビング体験を提供します。

 今回出品予定のシャシナンバー261538は、ロッソ・カリフォルニアを基調に、グリジオ・コバーンやアルジェント・ニュルブルクリンクを組み合わせたツートンカラーが特徴で、往年のレーシングカーのカラーリングを現代的に表現しています。

 ボディ各部にはカーボンファイバーが多用され、軽量化と高級感を両立しています。インテリアもまた個性的で、ブルー系のファブリックとレザーを組み合わせた仕立てに、跳ね馬の刺繍や精緻なステッチが施されています。

 装備面では4点式ハーネスや中央配置の回転計など、ドライバー重視の設計が貫かれている一方で、サスペンションリフターやパーキングカメラ、Apple CarPlayといった実用装備も備えられています。また、専用のカーボン製ヘルメットが付属するなど、所有する喜びを高める演出も用意されています。

 この車両は走行距離わずか417kmという極めて良好なコンディションを維持しています。

 この2020年式フェラーリ「モンツァSP2」、予想落札価格は250万ユーロから300万ユーロ(1ユーロ=183.9円換算で、日本円で約4億5980万円から約5億5176万円)となっています。

Gallery 【画像】限定499台のフェラーリ「モンツァSP2」を写真で見る(28枚)
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