旧型アウトバックやフォレスターから乗り換えはアリ? 右ハンドル車が存在するスバル「アウトバック ウィルダネス」を日本で乗るための“3つの壁”
パワフルな2.4リッター直噴ターボがもたらす走りと維持費のトレードオフ
ふたつ目のハードルは、パワートレインと維持費のバランスです。
旧型「アウトバック」が1.8リッター水平対向直噴ターボ、「フォレスター」が1.8リッター水平対向直噴ターボや2リッターの“ストロングハイブリッド”を主力としているのに対し、新型「アウトバック ウィルダネス」はよりパワフルな2.4リッター水平対向直噴ターボエンジンを搭載しています。
このエンジンは最高出力260hp、最大トルク277lb-ft(約375Nm)を誇り、専用チューニングされたトランスミッションの極低速ギア比と相まって、急勾配やオフロード、さらには重量物の牽引で圧倒的なパフォーマンスを発揮します。
しかしその反面、ストップ&ゴーが多い日本の市街地における燃費性能や、毎年の自動車税(排気量2.0〜2.5リッタークラスに該当)といったランニングコストは確実にアップします。
圧倒的なパワーと維持費のトレードオフをどう評価するかも、乗り換えの重要なポイントになるでしょう。
●約240mmの最低地上高とオールテレーンタイヤが日常使いに与える影響
そして3つ目のハードルが、オフロード性能に特化しているがゆえの乗降性と乗り心地です。
新型「アウトバック ウィルダネス」の最低地上高は、悪路走破性を高めるために標準モデルからリフトアップされており、約240mm(9.5インチ)に設定されています。これは本格クロスカントリー車に匹敵する数値であり、雪道やキャンプ場の未舗装路では無類の強さを発揮します。

しかし、日常使いに目を向けると、シート位置(サイドシル)が高くなるため、乗り降りの際にステップを超える負担が生じます。
さらに、標準装備されているオールテレーンタイヤは、ドロや砂利道でのグリップ力に優れる反面、舗装路でのロードノイズや乗り心地の硬さという点では、サマータイヤに一歩譲ります。
ロングツーリングを静かで快適に楽しむというグランドツーリングカーとしての性格よりも、あくまでギアとしてのタフさが強調されている点を理解しておく必要があります。
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ボディサイズ(全幅)の拡大や2.4リッターターボエンジンのランニングコスト、そして、オフロード特化型ゆえの乗降性と乗り味。この3つのハードルは、国内向けの旧型「アウトバック」や現行「フォレスター」がいかに日本の環境に合わせてバランスよくつくられているかを逆説的に証明しています。
しかし、これらのハードルを乗り越えてでも手に入れたくなる圧倒的な個性と機能美が新型「アウトバック ウィルダネス」にあることもまた事実です。その点に惹かれた多くのファンは、右ハンドル仕様の日本上陸を果たす日を心待ちにしていることでしょう。
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