なぜザ・ノース・フェイスは心斎橋に“靴だけの店”を出した? 世界初の新店舗を訪ねて見えたこと 【Behind the Product#40】
世界初となるフットウエア特化型ショップがスニーカー激戦区に誕生
ザ・ノース・フェイスが大阪・心斎橋にオープンした「THE NORTH FACE FOOTWEAR SHINSAIBASHI」は、同ブランドとして初となるフットウエア特化型のコンセプトショップです。
ダウンジャケットやシェルといったアパレルの印象が強い同ブランドですが、実はフットウエアカテゴリーにも数々の人気モデルを擁しています。近年では『NUPTSE BOOTIE』や『NUPTSE LOAFER』など、アウトドア由来の機能性を街の日常へと落とし込んだモデルも高い支持を集めてきました。
店舗が位置するのは、4月25日に開業した商業施設『QUARTZ SHINSAIBASHI』。
周辺には、NIKE、HOKA、Salomon、ASICSといった国内外のシューズブランドに加え、スニーカーショップも立ち並び、関西屈指の“シューズ激戦区”ともいえるエリアです。海外ブランドの路面店やセレクトショップにも囲まれ、心斎橋らしい感度の高い空気が漂っています。

山仕込みのテクノロジーを街と日常に拡張する
そんな場所に誕生した同店は、いわゆるアウトドアショップとは少し異なる雰囲気を持っています。店内では、Trekking、Road Running、City、Water Sideとカテゴリーごとにシューズを展開。
ラインナップの半数以上が日本限定モデルとなっており、訪日客も多い心斎橋という土地柄も反映されています。
なかでも大きな面積で提案されていたのが、ザ・ノース・フェイスが開発したソールシステム『VECTIV』搭載モデルです。どのような特性を持つシューズなのか、開発担当者の鎌田佑介さんに話を聞きました。

「我々はアウトドアブランドなので、これまでも“登る”や“走る”といった機能に特化したシューズを作ってきました。その中で今回、『VECTIV』の機能性を活かしたロードランニング向けシューズが登場したことが、2026年春夏シーズンにおける大きなトピックです」
『VECTIV』とは、ザ・ノース・フェイスがトレイルランニングシューズ向けに開発したソールテクノロジーの名称。3Dプレート、ロッカー構造のミッドソール、高いグリップ力を備えたアウトソールを組み合わせることで、安定性と推進力を両立しているのが特徴です。
「ロードランニング向けの『VECTIV Forward』は、トレイルモデル譲りのプレート構造やロッカー構造を採用しつつ、より軽量性を重視しています。ラバーを可能な限り薄くしたり、肉抜きを施したりと、用途に合わせてかなり細かく最適化しました」
また、ライフスタイルカテゴリーにおいても、『VECTIV』のソールユニットを応用したモデルを多数展開。ニットアッパーによる着脱のしやすさや通気性、防水透湿素材による急な雨への対応など、都市生活における“日常的なストレス”へのアプローチも強く意識されていました。
「トレイルランニングをしないお客様にも、この優れた機能性を感じていただきたいです。過酷な環境を乗り越えるために生まれた機能は、街でもそのメリットを体感できます」

「当然ではありますが、山と街では求められる機能も異なります。もっとラクに脱ぎ履きしたいよね、とか、サンダル感覚でラフに履きたいよね、とか。ライフスタイルカテゴリーにおいては機能面だけではなく、特に快適性を高めることを強く意識しました」
カテゴリーごとに異なるアプローチを取りながらも、それぞれのプロダクトに一貫しているのは、アウトドアブランドならではの機能性です。
では、ザ・ノース・フェイスは今後、フットウエアカテゴリーをどのように進化させていこうとしているのでしょうか。鎌田さんに今後の展望についても伺いました。
「まだ“ザ・ノース・フェイスってこんなにシューズがあるんだ”と知らない人も多いと思うので、まずはここ心斎橋を起点に、もっと広めていくことが使命だと考えています。我々の強みは、トレッキングシューズ、ランニングシューズ、サンダル、冬用ブーツまで、幅広いアウトドアアクティビティに対応したシューズを提案できることです。コアなパフォーマンスはしっかり追求しつつ、そこで培った知見を日常へと応用していく。アウトドアアクティビティとライフスタイルカテゴリー、その行き来を、今後も大事にしていきたいです」
新たなフットウエア体験を提供する場
最後に、「THE NORTH FACE FOOTWEAR SHINSAIBASHI」のみで実施しているサービスをご紹介します。
店内には、シダスジャパン株式会社が取り扱う3Dスキャン機器『SIDAS FEET BOX EVO』を常設。足長や足幅だけでなく、重心バランスや左右差まで細かく計測することができます。

実際に測定してみると、左右でサイズ差が出るケースも少なくないそう。普段意識していなかった足の特徴が可視化されることで、シューズ選びの基準も少し変わってくるはずです。
さらに、店頭にはシューフィッター資格を持つスタッフも常駐。ライフスタイルや用途に合わせながら、適したモデルを提案してくれます。アウトドアシューズはサイズ感やフィット感がパフォーマンスに直結するだけに、自分の足を理解した上で選べる環境は、大きな魅力といえるでしょう。
また、Vibramソールへの張り替えを行うリソールサービスにも対応。店舗オープン時点では全9種類のソールを用意しており、用途や好みに応じて選択できます。
すり減ったソールを交換しながら履き続けられるため、単なる修理ではなく、“自分仕様”へアップデートしていく感覚に近いのも特徴です。
履き潰して終わりではなく、修理を重ねながら長く使い続ける。そうした考え方にはアウトドアカルチャーらしさがあり、同時に製品寿命を延ばすという意味でのサステナビリティにもつながっています。
VAGUEからのオススメ
ポータブル電源が都心で過ごす夜を変える──Jackeryがかなえる“オフグリッド”なスポーツ観戦【PR】
