「うわ、かわい過ぎる!」ルパン三世が運転してそうな62年前の「チンクエチェント」を発見 半世紀の間オーナーが愛し続けたオープンルーフ仕様とは
手が届きそうな落札予想価格
RMサザビーズのオークションに、イタリアを代表する名車のひとつである1964年式「フィアット500D トラスフォルマービレ」が出品されました。
小さなボディに独特の愛らしさを備えたフィアット500は、戦後イタリアのモータリゼーションを支えた国民車として知られていますが、今回の車両はその中でも特に人気の高い「トラスフォルマービレ(コンバーチブル)」仕様となります。
フィアット500の歴史は1957年に登場した「ヌォーヴァ500」から始まります。
先代の「トポリーノ」に代わる新世代の大衆車として開発され、全長3mにも満たないコンパクトなボディにリアエンジンレイアウトを採用。扱いやすさや経済性に優れ、狭いイタリアの街並みに最適なクルマとして急速に普及しました。
しかし、発売当初の500はあまりにも簡素な装備だったため販売面で苦戦しました。そこでフィアットは改良を重ね、後席や装備を充実させたモデルを投入。その進化版として1960年に登場したのが500Dです。
排気量を約500ccへ拡大した空冷2気筒エンジンを搭載し、性能と実用性を向上させました。さらに500Dには、初代500を思わせる大型キャンバストップを備えたトラスフォルマービレが設定され、多くのファンを魅了しました。

今回出品された個体は、1964年9月にイタリア中部テルニで新車登録された車両です。2016年に英国に移るまで52年もの間、最初のオーナーが所有し続けました。
ボディカラーは爽やかなヴェルデ・アクアマリーナで、レッドのインテリアとの組み合わせが特徴。2016年には高水準のレストアが実施されており、現在も非常に良好なコンディションを維持しているとされています。
トラスフォルマービレ最大の魅力は、ほぼ車体後端まで開く大型のキャンバスルーフです。後年の500D標準車よりも開口部が大きく、開放感は格別。地中海の陽光を浴びながら走るために生まれたかのような仕様であり、現在では通常の500D以上にコレクターから高い人気を集めています。
また、この世代の500Dには後ろ開きのドア、いわゆる「スーサイドドア」が採用されていることも特徴です。
後継の500Fでは一般的な前ヒンジ式へ変更されたため、この独特なスタイルは初期モデルならではの魅力となっています。クラシックカー愛好家の間では、このドア形状を理由にD型を好む人も少なくありません。
フィアット500は1975年までに約400万台近くが生産されましたが、初期型のトラスフォルマービレは現存数が限られており、近年は国際的なクラシックカー市場でも評価が上昇しています。
小排気量で維持しやすく、見た人を自然と笑顔にするデザインを持つことから、コレクションだけでなく週末のドライブを楽しむクラシックカーとしても人気を集めています。
今回RMサザビーズに出品された1964年式フィアット500D トラスフォルマービレは、戦後イタリアを象徴する国民車の歴史と魅力を今に伝える一台です。華やかなスーパーカーとは異なる存在ながら、自動車史に残る名車として多くのコレクターの関心を集めそうです。
落札予想価格は1万8000ポンドから2万4000ポンド(約385万円から約513万円)とされています。
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