VAGUE(ヴァーグ)

7.3リッターに拡大したV12エンジンは582馬力で最高時速304キロ 当時“世界最速のコンバーチブル”の1台だったブラバスを発見 27年前のメルセデス「SLブラバス7.3S V12」とは

V12エンジン特有の地響きのような咆哮と滑らかな加速

 1990年代のロードゴーイングカーにおいて、これほどまでのパワーと圧倒的な存在感を放つロードスターは他に類を見ません。

 2026年6月に開催されるRMサザビーズのオークションに出品されるのは、1999年式メルセデス・ベンツ「SL ブラバス 7.3S V12」です。

 このモデルは、メルセデス・ベンツが誇る最高峰のオープンツアラー「SL(R129型)」をベースに、名門チューナーであるブラバスが技術の粋を集めて作り上げたハイパフォーマンス・コンプリートカーです。

 当時からその過激なパフォーマンスと天文学的な価格により、限られたVIPだけが手にすることのできた伝説的な1台です。

 最大の見所は、フロントボンネットの下に収められた心臓部にあります。

 ブラバスは、ベースとなったSL600の6リッターV型12気筒エンジンに徹底的なモディファイを施しました。

 排気量をなんと7.3リッターにまで拡大し、内部パーツを強化した結果、最高出力582馬力、最大トルク772Nmという、当時のスーパーカーを凌駕する超弩級のスペックを叩き出すに至ったのです。5速ATと組み合わされ、最高速度は304km/hという当時世界最速のコンバーチブルのひとつと謳われました。

 この途方もないパワーを支えるため、足回りにはブラバス製の強化サスペンションや大径ブレーキシステムが奢られており、強烈なストッピングパワーと高速安定性を両立させています。

 エクステリアは、精悍なブラックのボディカラーを纏い、ブラバス独自のエアロパーツによって低くワイドに構えたスタイリングが構築されています。足元を引き締める3ピースの深リムアルミホイールが、ただ者ではない雰囲気を醸し出しています。

 インテリアに目を向けると、上質なレザーがふんだんに使用された贅沢な空間が広がっており、随所に配されたカーボンファイバートリムや「BRABUS」のロゴが刻まれたメーターパネルが、このクルマが特別な血統であることをドライバーに強く意識させます。

 今回出品される個体は、四半世紀が経過した現在でも、これまでの熱心なオーナーたちによって徹底した屋内保管と定期的なメンテナンスを受けてきました。そのため、新車時の輝きを色濃く残す、まさにミュージアムクオリティの極上コンディションを維持しています。

 機関系も絶好調で、V12エンジン特有の地響きのような咆哮と滑らかな加速を今すぐ堪能できる状態にあります。

 当時の最先端技術とクラフトマンシップが融合した、90年代のチューニングカーカルチャーの頂点に君臨する逸品です。

 R129型の美しいスタイリングに、現代のスポーツカーをも脅かす7.3リッターV12モンスターエンジンを組み合わせたこの希少なブラバスSLは、世界中の目の肥えたコレクターたちによる激しい争奪戦となることは確実で、その行方に大きな期待が寄せられています。

 走行距離は4.7万km弱、落札予想価格は45万ユーロから50万ユーロ(約8350万円から9270万円)とされています。

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