名車「Z1」の系譜を受け継ぐ 半世紀前のカワサキを米国で発見 45年の間 ひとりのオーナーに愛され続けた「KZ900」の価値とは
長期間のワンオーナー保管を経て良好な状態を保つ出品個体の詳細
今回オークションに姿を現した個体は、1976年に製造された「KZ900-A4」と呼ばれるモデルです。

この車両の特筆すべき点は、1977年に新車として販売されて以降、2022年までの約45年もの間、たった一人のオーナーによって所有され続けてきたという極めて希少な経歴にあります。
現在のオーナーがこのバイクを入手したのは2023年2月のことであり、それから間を置かず今回のオークションへの出品に至りました。
外装のカラーリングは、深みのあるグリーンを基調に、グリーンとゴールドのピンストライプがほどこされた当時の純正仕様を保っています。
細かく見れば燃料タンクの右側に塗装のゆらぎが確認されますが、全体としては製造当時の色調が鮮やかに残されています。
シートにはブラックのビニール表皮を採用した2段シートが備わり、その後部にはクローム仕上げのグラブバーが装着されるなど、クラシックな佇まいを崩していません。
また、前後のフェンダーにも光沢のあるクロームメッキが施されており、それがこのバイクのヴィンテージな雰囲気をより一層引き立てています。
足もとを支えるのは、フロント19インチ、リア18インチのワイヤースポークホイールです。
装着されているコンチネンタル製のタイヤは経年による劣化が見られるものの、ブレーキ周りについては2022年にマスターシリンダーとキャリパーのオーバーホールが実施されており、走行への備えがなされています。
ハンドルまわりに視点を移すと、クローム仕上げのバーに純正ミラーが備わるコックピットが広がります。
計器類は日本電装製の2眼メーターが配置され、左側に160マイル(約257km/h)スケールのスピードメーター、右側に9000rpmからレッドゾーンが始まるタコメーターが並びます。
一部に塗装の剥がれやレンズ内の油膜が見受けられますが、それらもまた半世紀近い時を経た個体ならではの風合いとして受け入れられる範囲といえます。
走行距離については、オドメーターの表示で約1万5000マイル(約2万4000km)を刻んでおり、現オーナーのもとではわずか60マイルほどの走行にとどまっていました。
良好なコンディションを維持するため、2022年にはタペットクリアランスの調整やキャブレターの同期調整、さらには燃料ラインやスパークプラグの交換といった徹底したメンテナンスがほどこされています。
こうした整備の甲斐あってエンジンの始動性は良好であり、電装系も正常に動作することが確認されています。
なお、今回のオークションでは13件の入札を集め、最終的に1万1618ドル(約183万円)で落札されました。
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KZ900は、熟成が進んだ実用的な一台として、ヴィンテージバイク市場で独自の評価を得ています。
長期間同一オーナーによって保管され、適切なメンテナンスが施された今回の個体のような例は、今後ますます希少な存在となることが予想されます。
1970年代の日本の大型バイクが、北米の地でどのように愛され維持されてきたかを示す資料としても、価値のある一台といえそうです。
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