名車「Z1」の系譜を受け継ぐ 半世紀前のカワサキを米国で発見 45年の間 ひとりのオーナーに愛され続けた「KZ900」の価値とは
初代Z1の系譜を受け継ぎ熟成を図った900ccクラスの最終型
2026年4月、アメリカのオークションサイト「Bring a Trailer」において、1976年式のカワサキ「KZ900」が落札されました。
このKZ900というモデルは、1972年に登場して世界的なブームを巻き起こした「900 Super4(通称Z1)」の系譜を直接受け継ぐ後継機として、1976年に発表されたものです。
当時の自動二輪車市場において、カワサキのZシリーズは並列4気筒エンジンを搭載した高性能モデルの代名詞となっていましたが、このKZ900はその完成度をさらに高めた最終発展型としての役割を担っていました。
外観のデザインに目を向けると、初代Z1から続く流麗なスタイリングが色濃く継承されており、ティアドロップ型の燃料タンクからサイドカバー、そしてテールカウルへと流れるようなラインが特徴となっています。
その一方で、メカニズムに関しては当時の環境規制や騒音規制への適応、さらには操縦安定性の向上を目的とした細部への改良がほどこされました。
たとえば、フレーム構造は基本的にZ1の設計を踏襲しつつも、各部の補強や見直しをおこなうことで、高速走行時における直進安定性が強化されています。
また、吸気系にはミクニ製の26mm径キャブレターが4基装備されていますが、これは先代モデルの28mm径からあえて小径化されたものです。
こうした変更は、低中速域での扱いやすさと燃費性能の両立を目的としたものであり、当時のカワサキが日常的な実用性を重視していた意図がうかがえます。
心臓部となるエンジンは、排気量903ccの空冷4ストロークDOHC2バルブ並列4気筒を搭載しています。
スペックとしては、最高出力81馬力を8500rpmで発生させ、最大トルクは71.5Nmを7000rpmで発揮する性能を備えていました。

エンジンの始動方式には、セルモーターによるエレクトリックスタートに加え、キックペダルも併設されており、当時の大型バイクらしい重厚な機構が維持されています。
排気システムについても、左右に2本ずつ振り分けられた4本出しのマフラーが採用され、クロームメッキとともにZシリーズの象徴的なスタイリングを形作っています。
これに5速リターン式のトランスミッションを組み合わせることで、大排気量マルチエンジンならではの余裕ある走行性能が実現されています。
また、足回りのフロントにはテレスコピック式のフォークを、リアにはスイングアーム式とプリロード調整機能付きのツインショックが備わっています。
ブレーキシステムはフロントがシングルディスク、リアがドラムブレーキという構成になっており、当時の最新技術と規制への適応が融合した一台といえます。
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