テレビがついに“壁紙”に!? LGの約9.95mm極薄有機ELはインテリアと映像体験をどう両立するのか
“テレビを置く”時代から、“壁に映像が宿る”時代へ
テレビという家電は、長い間リビングの中心にあり続けてきました。家族が集まり、ニュースを見て、映画を楽しみ、ゲームをする。その意味では、テレビは単なる映像機器ではなく、家庭の時間を束ねる装置でもありました。
しかし一方で、テレビは空間の中でどうしても存在感が大きくなりがちな家電でもあります。黒い大きな板が壁際やテレビボードの上に鎮座し、その周囲にレコーダー、ゲーム機、チューナー、ケーブル類が集まる。
電源ケーブルやHDMIケーブルが視界に入るだけで、せっかく整えたインテリアの印象が少し崩れてしまう。これは、多くの人が一度は感じたことのある違和感ではないでしょうか。
今回、LGが発表した「LG OLED evo AI W6」は、その違和感に真正面から向き合ったモデルだと感じました。最大の特徴は、約9.95mmという極薄フォルムです。
1cmにも満たない薄さの有機ELテレビが壁に設置されると、そこにあるのは“テレビらしいテレビ”というより、壁面の一部に映像が現れているような感覚です。

さらに重要なのが「Zero Connect Box」の存在です。チューナーやゲーム機などの接続部をテレビ本体から切り離し、ワイヤレスで映像を伝送する仕組みによって、テレビ周辺にケーブルや機器を集める必要が少なくなりました。
しかも今回のZero Connect Boxは従来よりもコンパクトになり、インテリアの邪魔をしにくい存在になっています。
この進化は単なる薄型化ではありません。テレビという家電が、部屋の中で“主張する物体”から、“空間に溶け込む機能”へと変わろうとしている。そこにこそ、今回のW6の本質があると思います。

有機ELだからこそ実現できる、壁紙のような存在感
そもそも、なぜLGはここまで薄いテレビを作ることができるのか。その背景には、有機ELという表示方式の特性があります。

液晶テレビは、基本的にバックライトの光を液晶で制御して映像を表示します。一方、有機ELは画素そのものが発光する自発光方式です。
バックライトを必要としないため、構造を薄くしやすく、黒を表現するときには画素を消灯できる。これにより、漆黒の黒と高いコントラストを実現できるのが大きな強みです。
LGは2013年に大型有機ELテレビをグローバルで発売して以降、壁紙テレビ、8K有機EL、ロール可能テレビ、ワイヤレステレビ、さらには透明型有機ELテレビなど、有機ELならではの新しいテレビ体験を提案し続けてきました。今回のW6も、そうしたLGの有機ELテレビの歩みの延長線上にある製品です。
ただし、今回のW6が面白いのは、単に「薄くなりました」という話では終わらないところです。薄いテレビは、もはや製品単体の美しさだけでなく、住空間そのものの見え方を変えます。

例えば、壁掛けテレビを導入するとき、多くの人が悩むのは配線です。せっかく壁掛けにしても、下にケーブルが垂れていれば美しくありません。周辺機器を収納するために結局テレビボードが必要になり、部屋の印象が重くなることもあります。
W6は、そこにZero Connect Boxという解決策を組み合わせました。テレビ本体を極限まで薄くし、接続部を分離することで、壁面の美しさを保ちながら高品質な映像体験を実現する。これは、テレビを“家具”として考えるのではなく、“建築やインテリアの一部”として捉える発想です。

優れた家電は、性能だけでなく、部屋に置いた瞬間の空気まで変える。W6はまさに、その方向へ進んだテレビと言えるでしょう。
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