今でもそうだけど昔の将軍にとっても“力の源”だった!? わざわざ江戸城まで湯を運ばせた「徳川将軍家御用達」の温泉地3選
江戸幕府の将軍家が重用した、歴史ある名湯の数々
日本全国に有名な温泉地は数多く存在しますが、なかでも江戸幕府の将軍家と深いつながりを持つ温泉地は、その泉質の高さから特別な扱いを受けてきました。
今回は、将軍が直轄地として保護したり、江戸城まで直接湯を運ばせたりした歴史を持つ温泉地を3か所取り上げます。
●静岡県「熱海温泉」
はじめに紹介するのは、静岡県熱海市に位置する「熱海温泉」です。
熱海温泉は1250年以上前の天平宝字年間に、箱根権現の万巻上人によって泉脈が海中から山里へ移されたという伝承を持つ、歴史の深い温泉地です。

この温泉地と徳川家との関わりは深く、幕府初代将軍の徳川家康は1604年3月に子供たちを連れて7日間逗留した記録が残されています。
家康が熱海を幕府の直轄領としたことで土地の治安が守られ、各地の大名や要人が頻繁に訪れるようになりました。
さらに同年9月には、京都で病気療養中であった吉川広家の見舞いとして、熱海の湯を運ばせました。
この温泉を運ぶという行為はのちに「御汲湯(おくみゆ)」として歴代将軍に引き継がれ、1667年の4代将軍家綱の時代には、大湯の温泉を真新しい檜の湯樽に汲み、男数人に担がせて江戸城まで運ばせるようになりました。
昼夜兼行で15時間かけて運ばれた約90度の源泉は、江戸城に到着する頃には入浴に適した温度に保たれていたと伝えられ、「熱海よいとこ日の丸たてて御本丸へとお湯が行く」という唄も生まれました。
現在の熱海温泉の泉質は塩分を含む硫酸塩泉が中心となっており、弱アルカリ性のお湯が肌を整え、湯冷めしにくいという特徴を持っています。
また、1885年に日本初の温泉療養施設である「噏滊館(きゅうきかん)」が設立されるなど、近代以降も温泉地としての整備が先行し、現在では東京から新幹線を利用して約35分で到着できるアクセスの良さも兼ね備えています。
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