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「日本を代表する温泉地」は昔から決まっていた… 室町時代の歌人も江戸時代の学者も絶賛! 古くから人々を癒してきた「天下の名湯」3選

続いては兵庫県と群馬県を代表する温泉地を紹介

●兵庫県「有馬温泉」

 続いて紹介するのは、兵庫県の「有馬温泉」です。

 有馬温泉は、六甲山地北側の紅葉谷の麓に位置し、周囲を山に囲まれた地理的特徴から、都会の喧騒から隔離された環境を有する温泉地です。

兵庫県「有馬温泉」
兵庫県「有馬温泉」

 日本の三古泉のひとつに数えられ、神話の時代に大已貴命(おおあなむちのみこと)と少彦名命(すくなひこな)の二柱の神が、傷ついたカラスが水浴びをして治癒している姿を見て発見したという伝承が残されています。

 その後、舒明天皇や孝徳天皇の行幸を機に広く知られるようになり、奈良時代には名僧である行基が薬師如来のお告げを受けて温泉の基礎を築き、復興に尽力しました。

 平安時代には清少納言が『枕草子』の中で優れた出湯としてその名を挙げており、室町時代には足利義満、戦国時代から安土桃山時代にかけては豊臣秀吉が度々訪れています。

 とくに豊臣秀吉は、1596年の慶長伏見地震によって被害を受けた温泉施設の根本的な大改修工事を命じ、現在の温泉街の繁栄に繋がる基盤を確立しました。

 江戸時代には温泉を相撲の番付に見立てた格付けにおいて、最も格の高い「西の大関」として全国にその名が知れ渡る温泉地となっています。

 有馬温泉には、環境省が指針とする療養泉の主成分のうち7つの成分が含まれており、鉄分と塩分を豊富に含み保湿効果が高い「金泉」と、二酸化炭素やラドンを含む「銀泉」という異なる泉質を体験することが可能です。

●群馬県「草津温泉」

 最後に紹介するのは、群馬県の「草津温泉」です。

 草津温泉は、白根山や本白根山という活火山に抱かれた高原に位置し、日本武尊(やまとたけるのみこと)による発見説や、有馬温泉と同様に行基が発見したという説が伝えられています。

群馬県「草津温泉」
群馬県「草津温泉」

 鎌倉時代には、幕府を開いた源頼朝が浅間山麓での巻狩の途中に立ち寄ったとされ、湯畑の西側にある「白旗の湯」はその源氏の象徴にちなんで命名されました。

 そして、室町時代には、詩僧の万里集九が下呂温泉に滞在した際に著した『梅花無尽蔵』の中で、有馬や下呂と並ぶ日本の霊湯として記録されています。

 江戸時代に入ると、8代将軍の徳川吉宗が草津の湯を江戸城まで運ばせて入浴したという記録が残されており、当時の温泉番付では最高位の「東の大関」に位置づけられました。

 明治時代には、ドイツ人医師のベルツ博士がこの地を訪れ、強酸性の泉質や優れた時間湯の入浴法を近代医学の観点から高く評価し、世界へ向けてその効能を発表しました。

 源泉の温度が50度から90度近くと非常に高いことから、温泉の成分を薄めずに温度を下げる方法として、木の板でお湯をかきまぜる「湯もみ」の文化が江戸時代から定着しています。

※ ※ ※

 今回取り上げた温泉地は、いずれも1000年以上の歴史を有し、室町時代や江戸時代の著名な文化人によって日本を代表する名湯として選定された場所です。

 それぞれの温泉地には、神話や歴史上の人物にまつわる伝承が数多く残されており、現代でもその優れた泉質や独自の入浴文化が大切に守られています。

 歴史的な文献に記された背景や先人たちの足跡をたどることで、各温泉地が持つ固有の価値や、日本における温泉文化の深さをより詳しく知ることができるといえそうです。

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東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

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