「日本を代表する温泉地」は昔から決まっていた… 室町時代の歌人も江戸時代の学者も絶賛! 古くから人々を癒してきた「天下の名湯」3選
歴史ある文献に刻まれた日本を代表する名湯3選
日本全国に有名な温泉地は数多く存在しますが、そのなかでも歴史的な学者や詩人が実際に足を運び、その質の高さを讃えた温泉地は特別な存在として知られています。
今回は、室町時代から江戸時代にかけての文献において、日本の霊湯の最たるものとして並び称された歴史ある温泉地を3か所取り上げます。
●岐阜県「下呂温泉」
まず紹介するのは、岐阜県の「下呂温泉」です。
下呂温泉は飛騨川の河原に位置し、平安時代の中頃に湯ヶ峰の頂上付近で発見された後、1265年に湧出地が現在の平地へと移動したという歴史を持ちます。

この湧出地の移動に際しては、傷ついた一羽の白鷺(しらさぎ)が温泉のありかを村人に知らせたという「白鷺伝説」が語り継がれており、のちに薬師如来の化身であったと伝えられています。
そして、室町時代の末期である1491年には、全国を旅した万里集九がこの地に滞在し、日本国内の数ある温泉の中でも草津や有馬と並ぶ三処の霊湯であると位置づけました。
さらに江戸時代には、徳川将軍家に仕えた儒学者の林羅山が自身の詩集において、摂津の有馬、上州の草津、飛騨の湯島(下呂)を最も顕著な3か所として記述しています。
林羅山は、有馬や草津が広く世に知られている一方で、下呂は遠方まで知る者が少ないものの、入湯した者は必ずその確かな効能を得られると書き残しました。
現在では温泉資源の保護を目的として、1974年から温泉の集中管理システムが導入されており、55度に保たれた源泉が各宿泊施設へと安定的に配湯されています。
泉質はアルカリ性単純温泉であり、pH値が9以上という強アルカリ性の特性による石鹸効果によって、肌触りが滑らかであることから「美人の湯」とも称されています。
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