VAGUE(ヴァーグ)

独自の特色ある湯治文化に触れられるってだけじゃない! 古代の歴史書や『奥の細道』にも刻まれた東北を代表する「歴史的温泉地」3選

最後は、同じく宮城県に位置する日本三御湯のひとつ

●宮城県「秋保温泉」

 そして3か所目は、宮城県仙台市に位置する秋保温泉です。

 秋保温泉の歴史は古墳時代後期に始まるとされ、第29代欽明天皇が皮膚病にかかった際、この地の湯を都に運ばせて沐浴したところ全快したという伝承があります。

宮城県「秋保温泉」
宮城県「秋保温泉」

 これにより天皇から「名取の御湯」という称号を賜り、「拾遺集」や「大和物語」などの古典にもその名が記されています。

 長野県の別所温泉、新潟県の野沢温泉とともに「日本三御湯」のひとつとして、古くから皇室の御料温泉として扱われてきました。

 奈良・平安時代には大和朝廷の拠点である多賀城に赴任する官人たちの保養地として栄えた記録があります。

 さらに江戸時代には伊達政宗の入湯場として「湯小屋」が建設され、代々大切に守られてきた経緯があります。

 泉質は主に塩化物泉、単純温泉、硫酸塩泉で構成されています。

 海水の成分に似た食塩を含むため、入浴後も肌についた塩分が汗の蒸発を抑え、保温効果を発揮します。

 疲労回復や神経痛、関節痛などへの効能があるとされており、古くから療養を目的とした湯治客を受け入れてきました。

宮城県「秋保温泉」
宮城県「秋保温泉」

 大正時代には秋保石材軌道から発展した秋保電気鉄道が開通し、湯治客の輸送網が整備されたことで温泉郷としての規模が拡大しました。

 現在は、名取川の上流に位置する豊かな自然環境や、秋保大滝などの景勝地とともに、都市近郊の保養地として機能しています。

※ ※ ※

 今回取り上げた3つの温泉地は、いずれも歴史書や紀行文にその名が残されており、古くから多くの人々が湯の効能を求めて足を運んできました。

 それぞれの地域において、独特の泉質や温泉地としての成り立ちが現在まで継承されています。

 江戸時代の旅人たちが歩んだ道をたどりながら、地域ごとの特色ある温泉文化に触れることは、東北地方の歴史を深く知る手がかりとなります。

Gallery 【画像】歴史ロマンを感じられてイイよね! 3選で紹介した温泉地を写真で見る(21枚)
シチズン「プロマスター」新作 “海の男”をうならせた頼れる1本
Peacock Blue K.K.
東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

page

  • 1
  • 2

VAGUEからのオススメ

海と向き合い、自らを再起動する――プロセーラーが語る、シチズン「プロマスター」で“限界を超える”意味とは【PR】

海と向き合い、自らを再起動する――プロセーラーが語る、シチズン「プロマスター」で“限界を超える”意味とは【PR】

RECOMMEND