世界限定799台の「白いフェラーリ」を発見 2オーナーで走行3200キロ 自然吸気V12エンジンの咆哮も美しすぎる「F12tdf」の魅力とは
tdfとは伝説の自動車レース「ツール・ド・フランス」から
フェラーリが誇る偉大なモータースポーツの歴史において、跳ね馬の黄金期を築き上げた自動車レース「ツール・ド・フランス・オートモビル」。
このレースでは1950年代から60年代にかけて「250GTベルリネッタ」が伝説的な活躍を見せ、非公式ながらこのモデルは「ツール・ド・フランス(tdf)」という愛称で知られるようになりました。このクルマはレース会場まで自走し、何日も全力で走り続け、そしてまた自走して帰宅できるというモデルだったといいます。
その輝かしい栄光へ最大限の敬意を表し、現代の圧倒的なテクノロジーをもって蘇らせた至高の限定ロードカーが、2017年式フェラーリ「F12tdf」です。

「F12ベルリネッタ」をベースにしながらも、世界でわずか799台のみが選ばれた顧客のために限定製造されたこの歴史的スペチアレが、2026年8月に開催されるブロード・アロー・オークション主催の「ザ・クエイル・オークション」に出品される予定です。
このモデルの最大の特徴であり、世界中のエンスージアストを虜にする理由は、公道走行可能なFR(フロントエンジン・リアドライブ)モデルとして極限まで突き詰められたその官能的なメカニズムにあります。
長いボンネットの下に収められた6.3リッターの自然吸気V型12気筒エンジンは、ベースモデルからさらなるチューニングと高回転化が図られ、最高出力780馬力という驚異的なパワーを発揮。
7速デュアルクラッチトランスミッション「F1 DCT」との組み合わせにより、0-100km/h加速は2.9秒、最高速度は340km/h以上に達します。
さらに、車体各部へのカーボンファイバー素材の多用によって110kgもの軽量化を達成したほか、フェラーリとして初めて後輪操舵システム「バーチャル・ショート・ホイールベース」を採用した画期的なシャシ構成により、スリリングでありながらも極めて俊敏なハンドリングを実現しています。
今回、オークションの舞台に登場する個体は、フェラーリのカスタマイズ部門である「アトリエ」プログラムを駆使して極めてレーシーに仕立てられた仕様です。
エクステリアには、フロントからルーフ、そしてリアへと貫かれるフレンチトリコロールの美しいセンターストライプが描かれており、かつてのレースで活躍した歴代の跳ね馬たちの姿を現代に彷彿とさせます。

さらに、カーボンファイバー製のフロントフィルターやリアディフューザー、サイドスカートといった高額なオプションが贅沢に奢られており、新車時のオプション総額は実に出品車両単体で21万ドル(約3300万円以上)を超えるという、破格のこだわりが詰め込まれています。
インテリアは最高級のアルカンターラとブラックレザーで統一され、ダッシュボードやドアパネル、センターコンソールにいたるまで贅沢にカーボンファイバーがあしらわれた、極めてスパルタンで洗練されたコクピットが広がっています。
この個体はデリバリーされて以来、徹底した温度管理のもとで大切に保管されてきました。記録によると、これまでの総走行距離はわずか2000マイル(約3200km)未満という、慣らし運転を終えたばかりのような新車同等の素晴らしいコンディションをキープしています。
電子制御やハイブリッド化が完全に主流となり、自然吸気V12の大排気量エンジンが絶滅の危機に瀕している現代において、ドライバーの五感をダイレクトに揺さぶる純粋なメカニカル特性を持つF12tdfは、二度と作ることができない跳ね馬の歴史的遺産としてその価値を世界中で高め続けています。
予想落札価格は330万ドルから380万ドル(日本円で約5億3600万円から6億1700万円)。どのような金額で次なる未来へと引き継がれるのかに、世界中から大きな期待がかかっています。
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