「12倍ズーム」より、60mmが効いた! DJI「Osmo Pocket 4P」を羽田空港で実写レビュー ——2眼化で“ひとり撮影”はどう変わる?
Vlogコンボは「ひとり撮影」を小さな撮影チームに変える
Vlogコンボには、Osmo Pocket 4P本体に加え、Osmo FrameTap、DJI Mic Mini 2トランスミッター、補助ライト、1/4インチねじ穴付きハンドル、ミニ三脚、キャリーポーチなどが付属します。
羽田空港で一式を試すと、単なるアクセサリーの詰め合わせではなく、ひとりで撮影を成立させるための役割分担が見えてきました。
なかでも便利だったのが、ビューファインダー付きワイヤレスリモコン「Osmo FrameTap」です。
本体をミニ三脚に置いたまま、手元でライブ映像を確認し、録画や追跡対象の選択を行えます。空港のように人通りが多く、本体のそばに立ち続けにくい場所でも、構図を確認しながら離れて操作できました。

カメラをミニ三脚に載せ、FrameTapで自分の位置を確認してから撮影を始める。インタビューでは話し手を追跡させ、撮影者は質問や音声確認に集中する。これまで撮影スタッフが担っていた一部の作業を、カメラとリモコンへ移せます。
これまでなら撮影スタッフがもう一人必要だった仕事の一部を、カメラとリモコンが担ってくれます。
音声はDJI Mic Mini 2トランスミッターを受信機なしで直接接続できます。小型のマイクと縦位置撮影を組み合わせれば、空港内でも大がかりな機材を広げずに、自分のコメントをその場で収録できました。

Vlogコンボは便利ですが、すべてを常時装着する必要はありません。遠隔操作を重視する場面はFrameTap、コメント収録ではMic Mini 2、暗い場所や顔を明るく見せたい場面は補助ライトというように、撮影内容に合わせて構成を変えるのが現実的です。
付属品を全部持ち出すと、「ポケット」ではなく小さな撮影キットになる
Osmo Pocket 4Pは、本体だけなら片手に収まり、ターミナルを歩きながらでも自然に取り出せます。
一方、FrameTap、マイク、補助ライト、フィルター、ミニ三脚まで持ち出すと、付属ポーチやバッグにまとめる方が安全です。今回は必要な機材を時間帯や撮影場所に応じて入れ替えることで、携帯性を保ちました。

操作は慣れれば速いものの、倍率、ジンバル、追跡、フィルター、縦横撮影など選択肢が多くなりました。主要倍率はボタンで素早く切り替えられますが、撮影前に何を撮るかを決めて設定しておく方が、現場ではスムーズです。
画面を回転させると横位置と縦位置を切り替えられます。通常動画は横向きで4K/60fpsまで対応する一方、9:16の縦向き動画は最大3Kです。SNS向けに縦位置へすぐ移れる操作性は便利ですが、縦4Kが必要な人は仕様を確認しておきたいところです。

内蔵ストレージは103GBで、標準ビットレートの4K/60fps動画を約210分保存できます。microSDカードは最大1TBまで対応。
羽田空港で多くのテストカットを撮っても、カードを入れ忘れた不安がなく、内蔵ストレージをそのままPCから確認できました。
撮影後はUSB接続でPCへ取り込み、サムネイルを見ながら素材を整理できます。撮影からデータ受け渡しまでの流れが短いことは、取材後すぐに記事やSNSを作る場面で大きなメリットです。

「撮る道具」から、「映像を組み立てる道具」へ
Osmo Pocket 4Pを羽田空港で使ってみて、最大12倍ズームだけを見ていては、この製品の価値を正しく捉えられないと感じました。
12倍は、立ち入りできない場所にある航空機や遠くのディテールを確認するために役立ちます。しかし、映像表現を日常的に変えるのは、画質と距離感のバランスに優れた60mm相当の3倍です。
20mmで空港という場所を説明し、60mmで旅行者や航空機を主役にする。必要に応じて6倍、12倍へ寄り、ActiveTrackで人物を追う。撮影時点で引きと寄りがそろうため、編集時に映像のリズムを作りやすくなります。
エスカレーターや動く歩道、混雑したロビーでも、3軸メカニカルジンバルのおかげで片手撮影を続けやすく、起動してすぐに記録へ移れました。
ミラーレスカメラとジンバルの組み合わせほど構える必要がなく、スマートフォンより撮影意図を反映しやすい。その中間に、Osmo Pocket 4Pの居場所があります。

自撮りを中心に、広角の映像を短く残すだけなら、軽くて価格も抑えられたOsmo Pocket 4で十分でしょう。
しかし、旅先の景色だけでなく、人の表情、製品、乗り物、遠くの被写体まで一本の映像にまとめたい人。ひとりで撮影する機会が多く、それでも画づくりを諦めたくない人には、Osmo Pocket 4Pの二眼とVlogコンボが大きな武器になります。
ポケット型ジンバルカメラは、手軽にブレの少ない映像を撮る道具から、その場で映像の構成まで考える道具へ。
羽田空港で実際に撮って分かったのは、Osmo Pocket 4Pが「遠くまで撮れるカメラ」以上に、ひとりの撮影者へカメラマンと編集者、二つの視点を与えるカメラだということです。

【製品概要】
DJI Osmo Pocket 4P Vlogコンボ
価格:税込11万3300円(スタンダードコンボは税込9万9000円)
タイプ:デュアルレンズ搭載ポケットジンバルカメラ
本体サイズ:159.5×63.3×33.5mm(長さ×幅×高さ)
重量:230g
ジンバル:3軸メカニカルジンバル
広角カメラ:1インチCMOSセンサー、35mm判換算20mm、F2.0
中望遠カメラ:1/1.28インチCMOSセンサー、35mm判換算60mm、F1.8
ダイナミックレンジ:最大17ストップ(広角カメラ)
最大動画撮影性能:広角カメラ4K/240fps、中望遠カメラ4K/200fps(スローモーション撮影時)
カラーモード:10-bit D-Log 2、10-bit D-Logなど
ズーム:3倍の中望遠撮影、6倍ロスレスズーム、最大12倍デジタルズーム
ディスプレイ:2.0インチ回転式OLEDタッチ画面
画面解像度:556×314ドット
画面輝度:1000ニト
被写体追跡:ActiveTrack 8.0、最大12倍ズーム時の被写体追跡に対応
内蔵ストレージ:103GB
外部ストレージ:microSDカード対応(最大1TB)
マイク:3マイク内蔵、ステレオ録音対応
ワイヤレス音声:対応するDJI Micトランスミッターを直接接続可能
バッテリー容量:1545mAh
最大動作時間:約210分
充電時間:約18分で80%、約32分で満充電
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